• 2017.11.15
  • ポルトガルのハロウィーン
11月1日は、Dia de Todos-os-Santos(諸聖人の日)という祭日です。Dia de Todos-os-Santosを直訳すると「全ての聖人の日」ですが、聖人のためではなく亡くなった信者たちのために祈る日になっています。日本で言う「お盆」、あるいは「ハロウィーン」と言った方が分かりやすいでしょうか?



この日がやって来ると、村の子供たちは布袋を下げて家々のドアを叩きます。「Pão por Deus〜!Pão por Deus〜!」と大声で叫んで家から出て来る人に Pão por Deusをねだるのです。

Pão por Deusは「神が捧げるパン」という意味で、この時期に作られる硬い菓子パンのようなもの。ポルトガルでは身の詰まった硬いパンは基本ブロアと呼ばれてますが、普段から店頭に並ぶトウモロコシ粉でできたブロアと違い、この日配られるPão por Deusブロアは、サツマイモベースで、砂糖、フェンネル、場合によってはナッツ類が入っており、ほんのり甘い素朴な味で美味しいです。

ただし、Pão por Deus として配られる内容は地域によって異なっており、ナッツ類であったり、ドライフルーツやケーキ、リスボンではお金を配ることもあったそうです。最近ではアメリカのハロウィーンの影響で、キャンディーやグミといったお菓子に変化してきています。

このしきたりは15世紀、異教徒の時代からあったそうですが、確立されたのは、1755年リスボン大地震の翌年からだと言われております。大地震をどうにか逃れた住人は、被害のなかった隣町に行ってPão por Deus(パン)を恵んでもらったそうです。

さらに、Pão por Deusと叫んで家々を回るのは、正午までと決められています。理由は良く分かりませんが、正午を超えた場合は、ドアを開けた人物にこっぴどく叱られないといけないそうです。もちろんこのご時世、そんなことしたら近所付き合いに亀裂が入るでしょうから、見ることはないと思いますが・・・。


最後に、「世界で一番セクシーなトイレ(The sexiest WC on earth)を紹介します。

ポルトガル製紙メーカーRenova(レノヴァ)社がショールーム兼ねてリスボンのコメルシオ広場に設置した公衆トイレです。中は非常にお洒落になっており、壁に並んだカラフルなトイレットペーパーから好きなのを選んで使えます。

レノヴァ社が2005年に発表したカラフルなトイレットペーパーは、ヨーロッパ数十カ国、アメリカ、オーストラリア、ドバイなど世界中で販売され、世界の有名セレブからも大きな支持を得ています。 今年から、フランスに工場を設け、シェア拡大を目指す模様。

日本でもビヨンセが使用しているとして10年程前から販売されているそうです。

そのトイレに数日前行ってみたら、ハロウィーン仕様になっていました!ハロウィーンに合わせたナプキンも素敵です!


特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

太田めぐみの記事一覧を見る

おすすめ記事

リポーター

おすすめ記事

PAGE TOP