3月末、英国はEU離脱になるのか?
90年代のロンドンでは、当たり前だが、ほとんどの場所で多数派はイギリス人だった。綺麗なブリティッシュ・イングリッシュがどこを歩いても聞こえてきた。そして移民といえば、インドなどと言った、旧植民地から来た人々だったと思う。
それが変化したのは、EUになってから。
EU加盟国間の移動が、様々な面において自由になり、人もまた、貧しい東欧の国々から流れて行った。イギリスは、国際言語である英語を母国語とするという点と裕福、仕事があるというのが人々を寄せ付ける要因になったのだろう。
ポルトガル人の移民も、イギリスになんと30万人いると言うから驚きだ。
今ロンドンの街を歩くと、ロシア語、フランス語、イタリア語、アラブ語、ルーマニア語、中国語など、様々な言語を耳にする。
こうして移民が増えることにより、自分たちの生活が不自由するケースが発生することもあり、彼らに対して不愉快な思いを抱くイギリス人も増える。どちらが偉い訳でもないのに、その土地にネイティブな人間は、外者を嫌うのは自然の成り行きなのかもしれない。ましてやそれが人種が違うとなると、壁は厚いのだ。
ポルトガルにおいては、旧植民地からの移民はEU統一前から多かった。EU加盟後は、言語が近いという点でルーマニア系が流れ込み、他東欧からも入ってきたが、イギリスほど目立ったものではない。国が貧しく、彼らにメリットがほぼないのが理由だろうが、シリア移民を受け入れたにも関わらず、数人しか希望者がいなかったという話を聞いたことがあるほど人気がない。
しかしゴールデンヴィサ(高額な物件を購入した者にレジデンスヴィサが与えられる)が導入されてからは、中国人が増加した。ポルトガルのヴィサだとしても、EU加盟国には自由に移動ができるので、彼らには魅力的なシステムなのである。
それと北欧からの人々も増えた。ネット社会になった今、仕事をする場合をポルトガルに移動しても支障がなくなったのからだ。
そして、昔から多くいたのが、イギリス人だ。
イギリス人と北欧人で共通しているのは、彼らは暖かい場所を好むということ。イギリス人にしてみれば、ポルトガルは多くの国民が英語を話すことが出来、本国との距離が短く、フライトも頻繁に行き来しているのも大きな要因だと思う。そしてポルトガルは、ゴルフキャピタルでもある。
イギリスのEU離脱が迫る今、彼らはどうなってしまうのか?
在ポルトガル英国大使館によると現在推測4万5千人の在ポルトガルイギリス人が、離脱後も居残る手続きをしているそうだ。
それに対して今年の初め、ポルトガル政府はNo Deal Brexit政策を掲げた。それは、イギリスのEU離脱後もポルトガルに住み続けるイギリス人の権利を守るという内容。それにより、イギリス政府もイギリス在住ポルトガル人の在住権を保護するだろう。
そうなると、その期限内に何人のポルトガル人がこの国を離れ、イギリスに渡るのか気になるところである。
- 2019.03.20
- どうなる在ポルトガル英国人