情報の選択、そしてグリーフケア|太田めぐみ|ナレッジワールドネットワーク|アクティビティ|ナレッジキャピタル

  • 2019.07.04
  • 情報の選択、そしてグリーフケア
日本では今、不愉快なニュースが続いています。
中でも川崎市登戸で、カリタス学園の少年少女が次々と刺されたという事件は衝撃的でした。
もしも自分の子がその場にいたら・・・という恐怖もありますが、私的にこんなにもショックが大きかったのは、なぜでしょう?加害者が亡くなり、理不尽さをどう対処していいか分からないから?何を考えても推測でしかなく、頭のモヤモヤをぬぐい切れず・・・。

友達の子は、事件エリアに住む仲間がおり、ラインで知らされる情報があまりにもリアルで、怖くてなかなか寝付けなかったと聞きました。

そうなのです。私がかねてから感じることは、今日の情報の多さです。
実はこの時、ちょうど帰国していたのですが、TVでは通常の放送を変更してまで、ずっと事件の事を報道してました。大人である私でさえ時間が経てば経つほど恐怖心が募り、寝る頃には不安や恐ろしさで心臓がプルプルと震えるのを感じられるほどでした。ナイーブな子供たちはどう受け止めるのでしょうか?
親は、何度も繰り返される情報に子供が触れすぎないよう、コントロールするのが理想的でしょうが、現在では特に、情報から子供を完全に隔離することは不可能です。現に上で述べた子のように、ラインで事件を知ってしまうのが普通の世の中になっています。

もちろん中にはへっちゃらな子もいますが、感受性の強い子や神経が細い子には、グリーフケアが必要でしょう。そして正しく子供と向き合いケアするためには、保護者もセルフケアを十分にすることが大切だと思いました。
さらに、今まで盲点だったのが、保護者以外で子供達と関係を持つ人たちのことです。
私の後輩は、カリタス学園の生徒にフランス語を教えているのですが、教え子の一人は被害に合ってしまい、またもう一人は丁度バスに乗っていたそうです。彼女は、あの時運転手がバスから降りて注意しておらず、犯人がバスに乗り込んでいた事を想像するとゾッとすると話していました。
こうした大人も動揺心や不安を出せる場が必要だなと今回初めて気づかされました。


以前テロが多発していた頃、友達が言いました。
「嫌な事件ばかりだけど、どのチャンネルも一斉に8時にニュースを始めるので、子供達がどうしても観ちゃうのよ~。」
うちの子供たちは近所の子たちのように公共のTV番組は観ておらず、家ではNetflixや衛星TVしか流れていません。ですがそのうち、本人が望んではいない情報を得るようになるでしょう。その時は、悲惨な出来事も正しく伝えるつもりです。何事も隠さず、お互いにオープンに話ができるのが信頼関係を築く秘訣だと思います。そして自分たちが抱える不安や疑問を正直に話しあい、気持ちをを落ち着かせ、闇の深い事件に心が引きずられないように育ってもらえるのが私の理想です。

特派員

  • 太田めぐみ
  • 年齢丑( うし )
  • 性別女性
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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