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  • 2019.12.26
  • マフラ宮殿
マフラ宮殿・修道院 ユネスコ世界遺産に認定


私が住むマフラ市にある、マフラ宮殿・修道院は、今年ユネスコ世界遺産に認定されました。
マフラ市にとって、今年の一大ニュースであろう。

そのマフラ宮殿・修道院の事を少し説明させてください。
マフラの街に堂々とそびえ立つこの建物は、ポルトガルのバロック建築の中でも代表的なものであり、ジョアン5世が、娘の誕生を祝い、1717年に建てさせたものです。宮殿だけでなく、バジリカと修道院も作らせています。
王の要求で、スペインのエル・エスコリアル修道院とイタリアのサン・ピエトロ大聖堂のイメージで建てられることになるのですが、あまりにも壮大なプロジェクトの為、完成をしないのではと心配され、最終的に5,200ヶ所の戸口、2,500個の窓、29の中庭、部屋数は880個もあるこの建物の建築には、一時期4万5千人もの人が関わっていたそうです。


宮殿としての特徴は、一番端っこにある王の寝室から、もう片方の端にある王妃の寝室まで250メートルもあるという事。距離もすごいのだが、夫婦の寝室が両極端にあるのが面白い。
それからもう一つは、長さ83メートルもある図書館です。
前にも少し説明したと思うが、この図書館は、ヨーロッパの中でも有数の美しさを保つ上、ポルトガル18世紀で最も重要な修道院・王室図書館とされている。
アラビダ修道士たちは、1819年までに取得した約4万巻の書籍のタイトルを全て掲載し、カタログを作成し、それが今でも残っている。この貴重なコレクションには、古いものでは16世紀の書籍もあり、特に珍しいものでは、22の外国のインキュナブラと14の地図が保管されている。
この図書館、夜になるとコウモリが出てきて、本に付く害虫を食べてくれてるらしい。


この建物の真ん中には、バジリカの入り口があります。バジリカは、シントラで取れたピンクと灰色の大理石がふんだんに使われています。
このバジリカの部分で有名なのが、6つのパイプオルガンです。他の国と比べてもオルガンが6つもあるのは多い方ではありますが、実際6、もしくはそれ以上のオルガンが設置された教会はないとは言えません。しかし、それは時代と共に増やしていった場合が多く、マフラ宮殿・修道院のように、最初から6つのオルガンを同時に設置したのはとてもユニークと言えるでしょう。それは何かと言いますと、6つのオルガンを同時に演奏するクラシカルな曲・楽譜が残っている事を意味します。

更に世界的にも珍しいのが、二つの塔にある合計114(各57)の鐘です。24キロ先まで音色が届いたとされるこの鐘は、現在状態が酷く使われておらず、時計仕掛けも停止した状態です。



(いつのだか分からないが、昔は時計もきちんと動いていた。赤矢印の部分が針が出たドラム缶のようになっていて、それが回って鐘を演奏していた。オルゴールのようなもの。)


(赤矢印の部分が時計)




(時計仕掛けの部分(一般には見えないのに)デザインが美しい。右の写真は、時計を動かすための重し。塔の下の方まである。)

鐘を支える木材も腐ってきており、(ヨーロッパで)すぐにでも処置を行うべき7つの建造物に指定されたこともありました。
私は3年ほど前、主人とこの二つの塔に通って、鐘の仕組みを研究した事があります。現在やっと修復作業が進んでおり、時計も鐘もまた使えるようになるのでしょう。果たして当時を再現できるのかは、疑問ですが、せっかく世界遺産になったのですもの、鐘でも音楽を奏でてもらいたいと思います。そして、マフラの時間を刻んでもらいたいと思います。


(塔の外の部分も針金がすごい!)



(鐘は、塔の中にある、上のようなもので、演奏する仕組み。)

特派員

  • 太田めぐみ
  • 年齢丑( うし )
  • 性別女性
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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