年末年始営業のご案内
12月31日(火):18:00終了
2025年1月1日(水):全館休業
※各店舗の年末年始の営業についてはフロアガイドよりご覧下さい。

  • 2020.09.08
  • 生活 ←生(Life)→ 命
新型コロナウイルス感染症による自制生活が始まったとき、人それぞれ色んな感情が生まれたと思う。
その内容は、生活環境を反映していたり、内面の表れだったり、年齢が関係していたり、もしくはそれら全てであったりと、様々だった思う。

ポルトガルで外出制限がかかり1週間ほど経った頃、リスボンの友人に元気にしているか連絡をしてみた。テレワークする父親、遊び盛りの子供2人、家族の世話をする母親から家族4人が、四六時中一緒のアパート暮らし。壮絶な生活がスタートしたものの、みんな健康、家族の絆も強まったとポジティブな返事と共に、不安でたまらないと、ネガティブな感情も隠しきれない様子。
不安の要因は、金銭面であった。
ご主人は、IT企業勤務なので、テレワークへの移行はスムーズであったし、仕事が減少した訳でもないが、この先もしも仕事が激減し、収入も入らなくなった時の事を考えての不安であった。

全く先が読めない今、みんな漠然とした不安を抱えている。だが、サバイバルという意味では、都会生活と田舎生活では、捉え方が異なると感じた。
都会の人々は、基本お金に頼らねば生きていけない。生きていく上で重要な食料・飲料を購入する必要があるからだ。しかし田舎暮らしの人は、生きていく上で必要な食料・飲料を得るためには、むしろお金は必要なかったりするのだ。
我が家には、畑がある。池(井戸)もある。家畜もいる。仮に家に何もなかったとしても、手を伸ばせば手に入る距離に、実り高い自然の恵みが広がっている。


サバイバル(生命)という意味においては、不安は全くない。

では、ライフスタイル(生活)ではどうだろう。
暖かい家、スタイリッシュな服、甘いアイス、心地良いベッド、グルメな料理とレストラン、イージーアクセス、お洒落なティーカップにスパイシーなお茶、フローラルな石鹸、腕の良い医者、かっこいい店・・・が当たり前である、何不自由のない生活を望むのであれば、都会に限る。


田舎生活であっても、住み慣れた環境を維持、あるいは高めようとするのが普通の成り行きだと思う。なぜなら人は、一度手に入れた心地よいライフスタイル(生活)をサバイバル(生命)な状況が迫っていても、手放すのは難しいからだ。


一食抜きにしても、友達と一緒にバーで一杯楽しみたい生き物なのだ。

さて、あなたは、もしも収入が見込まれなくなった際、どちらの「ライフ(生)」を選ぶのだろうか?

特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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