• 2023.05.11
  • ポルトガルグルメ
前回に続いて、今度は、2022年世界お菓子ランキング。
https://www.tasteatlas.com/best-rated-pastries-in-the-world

驚くなかれ、1位はポルトガルのPastel de Belém(パステル・デ・ベレン)。そして、2位は同じくポルトガルのPastel de Nata(パステル・デ・ナータ)。
日本では、エッグタルトとして知られるペイストリーである。


TasteAtlasより

Pastel de Nataは、18世紀前からカトリック僧や尼によって作られた、パイ生地のような生地の中に、カスタードがたっぷり詰まっているペイストリー、Pastel de Belémは、19世紀にジェロニモス修道士が作った、パイ生地のような生地の中にたっぷりとカスタードが詰まったペイストリーであります。
そう、どちらも同じエッグタルトで、それが1位、2位としてあげられているのが、このランキングの面白いところだと思いました。

Pastel de Belémが売られているの店は、Pastéis de Belém(パステイス・デ・ベレン)といい、ユネスコ世界遺産地域であるベレン地区に位置します。そしてこの有名なペイストリーは、このベレン地区にあるジェロニモス修道院で生まれました。
19世紀初頭、この修道院の隣にサトウキビの精製所があったそうです。1820年のリベラル革命で、1834年にポルトガルの修道院が閉鎖された結果、追放された聖職者が生き残るために、作られたのが始まりだそうです。
ここのエッグタルトのレシピは、1837年からずっと変わらず受け継がれており、熟練した菓子職人とこの店の家族にのみ伝えられている「秘密のレシピ」なのです。
私も何度か工場(Fábrica Pastéis de Belém)を見学させていただいたことがあるのですが、レシピを作っている部屋の扉の前には、「秘密の部屋」の札で立ち入り禁止になっており、うまく見学者の好奇心をそそる仕組みになっていました!


よって、今回ランキング上位に入ったこの二つのエッグタルトの違いは、ベレンのエッグタルト工場(Fábrica Pastéis de Belém)で作られたペイストリーだけが、Pastel de Belémと呼ばれ、他で作られたエッグタルトを一般名称であるPastel de Nataと呼ばれている訳です。 とは言っても、Pastel de Belémのカスタードは濃厚でクリーミーであり、出来立てで出されるので、格別な味なのは、確かです。
食べ方は、カスタードの上にシナモンパウダーや粉砂糖を振りかけていただくのですが、シナモンパウダーが多いほど、甘さが軽減され、それにポルトガルのビカ(エスプレッソコーヒー)といただくと、最高なのです。



さて、今年もウニ祭りに繰り出しました!
今年は既に、7回目になります!
今年度は地域の24のレストランが参加しました。期間中にこれらのレストランに行くと、期間限定の特別ウニ料理がいただけるようになっています。私がいつも行くビーチのレストランカフェも参加していました。



Ribeira d’Ilhas

前菜:マフラパン、ウニとカントリーフレッシュチーズ乗せ。レモンビナグレットとバジルオイル。

メイン:ウニのリゾット、エビのカルパッチョとわかめあえ


今年の招待シェフは、約10名ほどで、昨年のようにエリセイラマーケットの一角で、ウニを使った一品料理のショークッキング・試食があります。
私は、パウロシェフが参加する日に行ってまいりました!
パウロさんは、ポルトガルにある日本懐石料理屋「Kanazawa」の料理人で、ポルトガルにおける日本料理のパイオニアと言っても過言ではありません。昨年、彼のレストランがミシュラン認定されました。
私は友人と2人で、パウロさんはウニの軍艦巻きを披露するのだろうと、期待を大きく膨らませ、向かいました。


結果、パウロさんは、創作料理を出されていて、期待は外れたのですが、ミシュランシェフに相応しい、芸術的な料理を作っておられました。



パウロさんの作品
ウニの上の部分をカットし、中のウニそのままで器にする。
イカソーメンを入れ、上から炙る。
さらに、旬である空豆と、カットした和牛を炒めたものを入れる。
上から、ウニとキムチ汁を泡状にしたものをソースとしてかける。
最後に、グリンペースの苗を飾る。


パウロさんの隣では、牡蠣とウニを販売していましたが、ウニ祭りで披露される料理は、タダなので、私はパウロさんのところに2回並ばせていただきました!

これと、冷えた地元のグリーンワインを一緒にいただき、来年も絶対に来るぞと心に誓ったのでした。

特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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