• 2023.07.26
  • 「Já lanchou?」(スナックしましたか?)

2020年頃からじわじわと広まっている、新エコムーブメントがある。 バイオ廃棄物の回収である。

ポルトガルで生活する上で、非常に便利だと思うのが、各所にあるエコポント。いわゆるゴミ捨て場で、さまざまなゴミ用の箱があるので、そこに行けば一度に全てのゴミを捨てることが可能だ。
グレーや黒が可燃ゴミ。青色が紙。緑色が瓶と缶。黄色がプラスチック。赤(ちっちゃい箱)が電池。この5種類が大体のエコポントに設置されている。また場所によっては、使用油用、薬用、コルク栓用、ペットボトル用、ペットボトルの蓋用が揃っている場合もある。


グレー:普通ゴミ、緑:ガラス瓶、青:紙、黄:プラスチック


地上部分が小さいゴミ箱タイプは、地下が大きな空洞になっている。


左:使用油 右:不要になった服・靴・鞄(貧しい国に送られる)


バイオ廃棄物用のゴミ箱もある。別のものが捨てられないよう、専用のカードを矢印のところにかざさないと、開かないようになっている。

日本の場合は、それぞれの分別ゴミを捨てる曜日が決まっていて、それも早朝に限られている。夜中に出すと早すぎて、ゴミ収集後は出せないという、ゴミ収集車に委ねられたタイムリミットの中でやりくりしている。
ゴミの日に朝寝坊しようものなら、まず窓からゴミ置き場を確認しゴミが収集されていなければ、目やにがついていようが、髪がはねていようが、パジャマ姿のままで、ゴミを手に外に飛び出す、、、少なくとも私の帰国中は、その連続だった。


スーパーの隣にあるリサイクルブース。ここでペットボトルなどを捨てると、スーパーで利用できるポイント(リサイクル量で決まる)の紙が発行される。

ポルトガルでは、エコポントのおかげで、好きな時にいつでもゴミを出すことが可能で、家の中にゴミを溜め込む必要がないのが、本当に助かっている。
そして最近、新たなゴミの種類として収集し始めたのが、バイオ廃棄物だ。簡単に言えば、キッチンで出る生ごみ。
配布された茶色のバケツに、これまた配布されたライムグリーン色のビニール袋を設置し、そこに生ごみをためていき、ゴミが4分の3ほど溜まったら、ビニール袋を結んで閉めてゴミに出すようになっている。
他と差別化されたライムグリーンというユニークな色は、廃棄物処理施設の機械によって認識できるようになっており、全て自動的にまとめられ、専用の処理場に送られるというシステムになっているそうだ。


茶色のバケツとライムグリーンのゴミ袋

我々が捨てる食品の残飯は、環境や人間の健康に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。この廃棄物が埋立地に不適切に堆積されると、メタンガスである浸出水を生成し、水資源(地下水)を汚染する。
しかし、これらの有機残留物は、きちんと分別し、正しく処理すれば汚染を避けられるだけでなく、非常に価値があるものになる。発電し、栄養豊富な化合物として土壌に戻すことが可能である。
バイオ廃棄物の管理は、廃棄物の発生を防止し、環境を保護し、資源の効率的な利用を促進する上で不可欠な要素として浮上しており、ポルトガルでは、2023年からバイオ廃棄物の選択的収集が義務化されているらしい。


ポルトガルでは現在、1年間で1人平均200Kgの食品廃棄物(残飯)を出しているらしい。そして、1家庭が1年間に出す食品廃棄物でLEDテレビの3ヶ月分の電力が生成されるという。
自分が出した廃棄物がこうして利用されているのを知って、少しは救われた気がしたが、それでもなるべくゴミを出さない生活を意識していきたい。

ちなみに、我が家の野菜果物の残りは、家畜に与えられています!

特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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