• 2024.02.08
  • ジブラルタル海峡を渡り、ドラゴンを探す

年末年始は、モロッコに行っていました。
スペイン・アルへシーラス港からジブラルタル海峡を渡り、対岸のモロッコ・タンジェ港に着いたのは12月26日 PM7時過ぎ。そこから目的地の宿に到着したのは12時半くらいになっていた。港の税関で入国審査が終わるまで永遠と時間がかかった。


スペインからモロッコに渡ったフェリー


フェリーの中にもモスク(礼拝所)が設置されている

フェリーで一緒に渡ってきたキャンピングカー、上に積んだ荷物で倍くらいの高さになったバン、貨物トラックまでもが普通乗用車と同じ窓口。怪しい車があれば、テトリスのように積まれた荷物を下ろされ、そこはフリーマーケットのような光景になった。通路は塞がれることになるのだから、当然後ろに続く車は、列に並んだまま待機となる。
モロッコへの入国へは、1人1本の酒しか許されていなかったので、バーボンボトルを1本と、年越しを祝うためのシャンパンを1本持ってきたのだが、こんなにも手持ちぶたさな状態で待たされるのであったら、更に2本持ってきたとしても、審査を受ける前に飲みほしていただろうと思った。


車の中をチェックする警官、シェパードを連れた警官、パスポートと車両書類を確認する警官、それから警官らしからぬ、ひょろひょろしたスマートな警官など、制服を着た男性スタッフが威圧感を放っている。
待っている間、高い柵を登ってこちら側に入ってこようとする人(亡命者)がおり、それを見つけるや否や、ひょろひょろ警官が猛烈ダッシュで後を追い、捕まえて追い出すというシーンに出くわした。
「なるほど、道理であなただけ、ランナー体型だった訳ね」と納得した。

我々が、目的地のアシラに到着したのは、日付が27日に変わって少し経った頃であった。
アシラは、モロッコの北西に位置し、大西洋に面している港町である。フェニキア人が住んでいたこともあるほど古い町で、ポルトガルやスペインの支配下にあった時代もある。



宿の人に挨拶し、荷物を降ろした頃には、すでに午前1時になりかけていた。疲れにも増して空腹だった私たちは、夕飯を食べられるのか心配だったが、夜中でも営業しているレストランがあると教えてもらい、ほぼダッシュでみんなとそこへ向かった。絶望的だった私たちの腹と心を満たしてくれた、この天国の名は、アリババと言った。

こうして私のアフリカ大陸初上陸、モロッコの旅がスタートした。旅行中は、2024年の辰年にちなんで、「竜」を見つけるのを私のミッションとした。

特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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