• 2017.10.27
  • 名ミュージアムには名作がいっぱい‐ケルビングローブ美術館
アートが好きだから、芸術的な刺激を受けるために、新しいアイディアを求めて、雨の日に屋内で楽しめる場所としてちょうどいいから…などなど、人々が美術館や博物館に行く理由は様々です。そしてもう一つ、知らない人も多いのですが、イギリスにあるミュージアムの多くは無料で入場できるのです!
そこに行く理由が何であれ、スコットランドの博物館は、心を奪う芸術作品や興味の尽きない歴史的遺物の宝庫です。国が所有するコレクションや目玉の巡回企画展から、地域の個人アーティストの展示までが網羅され、国際的な芸術家はもちろん著名なスコットランド人画家、地元の熟練の職人に至るまで、幅広い層の作家たちによるアートを楽しめます。
大きな博物館は味自慢のカフェを併設しているところが多く、郷土料理やデザートを楽しみながら館内見学の合間にひと息つくこともできます。
先日、出張でグラスゴーを訪れた際、これまで見た中でも屈指の素晴らしいミュージアム、ケルビングローブ美術館に行くことができました。

ケルビングローブ美術館

この建物は、1888年のグラスゴー国際博覧会の会場としてスコットランドの旧首都、現在のウェストエンド地区の中心部に建てられた後、1901年に博物館となりました。界隈の風景を象徴する存在となったスペイン風バロック様式の赤石造りの建築は、博物館の正面に位置する大学のスタイルに倣ったものです。

スコットランドの無料の娯楽施設では上位の人気を誇るケルビングローブ美術館&博物館は、個別のテーマを持った22の最先端の展示室に、実に8,000点もの名作が並んでいます。

ケルビングローブの所蔵コレクションは、世界的にも膨大で良質な内容を誇ります。自然史博物館、武器や甲冑の展示室、芸術的ムーブメントや歴史上重要な時代に製作されたアート作品なども見ることができます。
ケルビングローブ博物館では、旧式の博物館風のスタイルで多岐にわたる所蔵品の数々(家具、武具、絵画、彫刻、骨董品…)を展示しています。展示室ごとにテーマも変わり、19世紀末のグラスゴー派の部屋もあれば古典派時代の衣装の部屋、マッキントッシュのアールヌーボー家具の部屋、はたまた自然史の部屋、ぬいぐるみの部屋まであります。

ビジュアルアートのコレクション




いわばちょっとしたマイナス点(この雰囲気を心地良い異国情緒と思える人もいれば、ごちゃごちゃしてまとまりに欠けると感じる人もいるでしょう)を除けば、ケルビングローブ博物館はきわめて贅沢で素敵な場所です。第2次世界大戦の戦闘機とぬいぐるみと外国人アーティストの名作が同じ館内に並んでいることさえ気にならなければ、英国で最も美しいミュージアムに数えられるケルビングローブ美術館&博物館の多様なコレクションを存分に堪能できるはずです。

エジプト文化にまつわる所蔵品


甲冑のコレクション


自然史博物館


訪れた人を最初に出迎えてくれるのは、壮麗な建物と中央ロビーのパイプオルガンです。毎日午後には無料コンサートが上演されるので、運が良ければその音色が聴けるかもしれません。展示されているコレクションは異種混合といった内容ですが、興味深さの点で物足りないということはありません。可能ならば一度と言わず何度かここを訪れ、その都度ひとつのテーマに絞って鑑賞するというのが理想的です。

中央ロビーにある靴の小ミュージアムに展示されている犬の像はどんな材料で作られているかわかりますか?これがなんと、ゴムのブーツなんですよ!
ケルビングローブで展示されている中で最も有名な作品といえば、サルバドール・ダリの傑作「十字架の聖ヨハネのキリスト」でしょう。西側の中庭の天井に吊り下がっているのは、本物のスピットファイア戦闘機です。
修復を終えた隣の建物はケルビングローブの人気スポットで、キッズやファミリーも楽しめる展示を打ち出しています。
展示内容の充実ぶりに加え、ケルビングローブはレストランやカフェ、魅力的なギフトショップも完備しています。

特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 年齢酉年(とり)
  • 性別
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。スコットランドのエジンバラ在住で、土木技師をしています。趣味は詩を書くことです。9年ほど前にイタリアからスコットランドへ移住し、この土地に惚れ込んでいます。雨の多い気候を好まない人もいますが、その気候のおかげでここは緑豊かな風景に恵まれています。暇を見つけては、車でエジンバラ郊外へ湖や渓谷を見に出かけています。

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