カナダ式サンクスギビング・デーの流儀|パトリック・ サッコ|ナレッジワールドネットワーク|アクティビティ|ナレッジキャピタル

  • 2018.11.22
  • カナダ式サンクスギビング・デーの流儀
お隣のアメリカと同じく、カナダのサンクスギビング・デー(感謝祭)は、お腹周りのサイズを気にしながらスタッフドターキーやカボチャ料理、マッシュポテトなどのご馳走を食べてお祝いする年中行事です。盛大なパーティが開かれ、カナダ人にとって何よりも楽しみな祝日となっていることも、アメリカのサンクスギビング・デーと共通しています。
カナダではこの日を家族で過ごすのが一般的で、長めの週末を利用して旅行に出かける人もグンと増えます。
サンクスギビング・デーは正式には、収穫の季節の最後に人々が感謝の意を表す日とされています。私が調べた範囲では、最初のサンクスギビングには「一年間の恵みをカナダの民に与えてくださった我らが全能の神に感謝を捧げる日とする」というカナダ国会の宣言がなされたということです。

ところで、カナダのサンクスギビング・デーって何月何日か知っていますか?
カナダはアメリカと同じ大陸にありながら、サンクスギビング・デーとして決められている日は異なります。
かつてはアメリカと同じく11月に祝っていたサンクスギビング・デーがカナダでは10月に変わり、現在では10月の第2月曜日になっています。
当日の月曜に限らず土日から続く3連休のいずれか1日に、家族や友達同士で集まってサンクスギビングのご馳走を囲むというのが一般的なパターンです。
カナダの他の祝日と同じく、連休となるこの週末には官公庁や学校、銀行その他を始め、多くの会社や公共サービスは休みになります。
ケベック州ではサンクスギビング・デーをフランス語で「アクシオン・ド・グラース」と呼びますが、その盛り上がり方は他の州に比べて格段に地味。そもそもサンクスギビングはプロテスタントの祝日ですが、ケベック州民の大半はカトリックなんですね。
それでも英語を話す人たちはパーティを開いたりしていますが、ケベックでこの日を休業にする企業は多くありません。

カナダのサンクスギビングについて、ざっとまとめてみましょう。
1879年11月、カナダ政府公認としては初めてのサンクスギビングの聖餐会が行われましたが、毎年10月第2月曜日がサンクスギビング・デーとして公式な国民の祝日に制定されたのは、それよりずっと後の1957年でした。
カナダにおけるサンクスギビングの歴史はさらに古く、17世紀まで遡ります。18世紀の初めにはすでに晩餐会を開催する習慣が始まっています(ただし毎年恒例ではありませんでした)。
晩餐会を取り仕切っていたのは、アメリカ式サンクスギビング・パーティを行う権限を持つプロテスタントの主任牧師らで、サンクスギビング・デーは彼らによって公的な感謝と祈りの日として国民の祝日に定められたのでした。この聖餐が、カナダでは「神のご慈悲に対する国民の厳かな感謝」という意義を持つようになったのです。
サンクスギビングはアメリカの祝祭という認識が大半を占めていますが、英国から初めてアメリカ大陸に渡り、そこに住んでいたアメリカ先住民の力を借りながら新天地を切り開いたイギリス人開拓者たちを祝福するものだという考えも一般的です。この祝日の主眼について、実り豊かな収穫への感謝ではなく、長きにわたる危険な旅を生きながらえた人々の、神のご加護に対する感謝なのだと主張する、いわゆる「サンクスギビングの最初期の意義」に関する議論は今も続いています。

カナダのブラック・フライデー
サンクスギビングに続く特大セール期間というアメリカ式の習慣がカナダにはなかったのですが、それもここ数年で変わりつつあり、サンクスギビング・デーの翌日、特にクリスマスシーズンに向けて大幅な値引きを行うショップが増えているそうです。この時期、ディスカウント品のショッピングを目的に多くのカナダ人がアメリカまで遠征している事実に気づいたカナダの経営者たちが、自らの顧客を手放すまいと同様のセールを決行する方向に舵を切り始めたことから、カナダのブラック・フライデーは勢力を増しているのです。
アメリカの盛況ぶりには及ばずとも、カナダでもショッピングセンターは朝早くから開店して、サンクスギビング・デーの期間は普段より多くの買い物客を集めています。
カナダ人のショッピング熱が最高潮に達するのは、やっぱり12月26日のボクシング・デー。セールとしてはアメリカにおけるブラック・フライデーに匹敵するこの日は、まさしく買い物天国といった様相が見られます。
サンクスギビングのお祝いに欠かせないご馳走の主役であるターキー(七面鳥)は、ご近所や貧しい人々にもふるまうのが決まりです。そんなサンクスギビングの伝統など、カナダ人はアメリカの習慣を数多く真似してきたのですね。
また、家族や友達に贈るプレゼントを物色しながらクリスマス仕様にデコレーションされた街を歩くのも、この時期の醍醐味といえるでしょう。
この連休中のカナダでは、とにかく街に出れば様々なパレードやイベント、コンサートが行われています。
その他の非宗教的なカナダの祝日を挙げてみると、5月25日直前の月曜のビクトリア・デー(ビクトリア女王誕生祭)、6月24日のケベック州のナショナル・デー、8月第1月曜のサスカチュワン州・オンタリオ州・マニトバ州・ノースウェスト準州のシビック・デー、11月11日のリメンブランス・デー(英霊記念日)、7月第1月曜のカナダ・デー(建国記念日)、9月第1月曜のレイバー・デー(労働者の日)、8月第1月曜のアルバータ州のヘリテージ・デー、8月第3月曜のユーコン準州のディスカバー・デーになります。

これらの祝日については、いずれまたリポートする予定です!


最後に、この記事のために去年のサンクスギビングの写真を提供してくれた我が友人たちに感謝を捧げます。


スタッフドターキー


ホッケーをモチーフにしたサンクスギビングのケーキ


氷上で友と過ごすサンクスギビングのひとコマ


サンクスギビング名物、カボチャとポテトのマッシュ

特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 年齢酉年(とり)
  • 性別
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。スコットランドのエジンバラ在住で、土木技師をしています。趣味は詩を書くことです。9年ほど前にイタリアからスコットランドへ移住し、この土地に惚れ込んでいます。雨の多い気候を好まない人もいますが、その気候のおかげでここは緑豊かな風景に恵まれています。暇を見つけては、車でエジンバラ郊外へ湖や渓谷を見に出かけています。

パトリック・ サッコの記事一覧を見る

What's New

REPORTER

What's New

PAGE TOP