なんだかロシアの大統領の名前のように聞こえますし、フランス語なので実際に同じように発音するのですが、このじゃがいもをベースにした料理は絶品なんです!
一説によると、この料理は1957年にケベック州で偶然に生み出されました。モントリオールのレストランでひとりの客が、オーナーに棒状のフライドポテトにグレービーソースをかけ、チーズを数切れ添えたものを作って欲しいと頼みました。このリクエストに対し、オーナーはフランス語で「‘ça va etre une maudite poutine(めちゃくちゃな見た目になるよ)」と答えたようなのです。
大前提として、この街には信じられないほど沢山の文化や伝統が交差していて、この街ならではといえるような料理はありません。世界中のあらゆる料理を食べることができるのですが、では代表的な料理は何か、となると人々はプーティンを思い浮かべるのではないでしょうか。
カナダ料理というのは概ね地域ごとに異なっていて、その発祥は英国の支配とアメリカ料理に由来しますが、なかにはフランス料理の影響を受けたものやフランス料理に新しく手を加えたものもあります。
カナダ西部では、食文化は前述したものに加えてイタリア料理、ウクライナ料理、ポーランド料理、そしてスカンジナビア料理の影響も受けています。
それでもなお、カナダ人は自分たちの文化と料理を誇りに思っています。
まずはプーティンの中身とは?という基本的なところから始めましょう。この料理はフライドポテトとチーズの上に、スープと小麦粉から作った濃厚なソースをかけたもので、家庭でも簡単に作ることができます。
材料
冷凍フライドポテト 300g
チーズカード 100g
ソース用
チキンスープ 1クォート(約0.95ℓ)
小麦粉 50g
バター 50g
塩・胡椒(お好みで)
作り方
小鍋にスープを入れて沸騰させ、バターと小麦粉を加えて強火で約3分加熱したら、火を弱めてさらに30分ほど煮ます。たっぷりの油でポテトを揚げます。どちらも完成したら、少量のチーズを皿の底に敷き、その上にフライドポテトを置き、さらにチーズのかけらを乗せて、最後に熱々のおいしいソースをかけます。チーズが溶け始めるのを見つめるのは、本当によだれが出そうになるほど幸せな瞬間ですね。
プーティンを知ってから様々な場所で味わうようになったわけですが、この料理は思っていたよりも複雑だというのが私の正直な感想です。プーティンにはソースをかけますが、このソースのおかげで料理がだめになるなんてことはなく、スープの風味と相まってフライドポテトをさらにおいしくしてくれるのです。
勇気がなくてまだ挑戦したことはありませんが、ベーコンビッツや小さく切った野菜をトッピングしたプーティンもあります。
アカディア料理も忘れてはいけません。
フランス系カナダ人によって伝えられたアカディア料理は欠かせない存在で、その歴史と独特の風味において抜きんでています。
じゃがいもなどの地元野菜を使い、肉や魚介類と一緒に煮込むのがアカディアのレシピで、心のこもった、温かみのあるおいしいお料理です。
フライドポテトとグレービーソースは一旦横に置いておきましょう。
伝統的なアカディア風プーティンは、ベーコンのかけらと塩漬けの豚肉を、すりおろした生のじゃがいもとマッシュポテトを混ぜたもので包み、ボール状に丸めたものです。ちゃんとした手順に従って調理する必要がありますが、お腹を空かせた人にはもってこいのお料理ができあがりますよ!
この肉を詰めた一風変わったじゃがいもの玉は、私が先人たちから受け継いだアカディアの伝統の一つです。
この伝統料理は店ではほとんど見かけませんし、作るには非常に時間がかかるのです。