現在、カナダでは緊急事態宣言の解除が検討されているにもかかわらず、オンタリオ州では外出禁止令が6月2日まで延期されることが決定しました。
カナダ国民にとってこの長期間に及ぶロックダウンはとてもつらいものですが、これを和らげてくれるのはアプリやデジタルテクノロジーなど、数少ない選択肢しかありません。例えば、リモートワークや遠隔学習といったデジタルサービスはロックダウンを適切に乗り切るための最良の方法だということが、様々な観点から実証されました。
この1年、特にここ2か月の間、デジタルテクノロジーは誰もが認める通りわたしたちの日常生活の中で主要な役割を担っています。ロックダウンにより働き方、コミュニケーションの取り方、さらには食事の仕方までもが大きく変わりました。この現象のいくつかの側面を挙げると、リモートワークや双方向型ゲーム、さらには遠隔教育からオンラインショッピングに至るまで、ユーザーは新しいシステムやアプリを試したり使いこなしたりする必要がありましたし、少なくともこれらの使用頻度を大幅に増やさなくてはなりませんでした。
職場では、リモートワークが一連の業務の継続を可能にする鍵だ、ということが証明されました。これがなければ、業務は突然に中断されていたことでしょう。いくつかのオンライン会議アプリのおかげで、同僚や顧客とやりとりすることもできるようになりました。こうしたアプリはこの2か月間で目まぐるしい成長率を記録し、多くのカナダ人がこれらのアプリにお金を払うようになりました。ビデオ会議アプリのダウンロード数は年始から大きく伸びてあっという間に飽和状態に達し、月次ベースのアクティブユーザー数も安定してきました。
そうして、今ではすっかり定着しました。
自宅から仕事をする社員を抱えるコストを削減しようと、雇用契約を常時リモートワークへと変更することを検討している企業もたくさんあります。
オンラインショッピングに関していうと、今年の初めから市場は急激な変化に適応し、既に部分的には存在していたオンラインサービスをいっそう推し進める必要に迫られました。例えば、食料品や生活必需品を購入するためのオンラインショッピングやアプリはユーザー数の大幅な増加を記録し、より使いやすいものになりました。
小さな商店であっても、販売を続けるためには何らかの形でデリバリーサービスを始めなければなりませんでした。また今では、営業時間内ならいつでもオンラインで購入した商品を店舗で受け取ることができます。なにより配送料を支払わずに済みますし、列に並ぶ必要もないのでセーフディスタンスを保つこともできます。こうした方法で、政府が定める厳しい予防措置への対応を補っているのです。
ジムは閉まっているが健康を維持したい、という人のために自宅トレーニング用のアプリが数多く作成され、こちらも非常に高い成長率を記録しています。特に、身体トレーニングに瞑想的な要素が色濃く組み合わさったヨガエクササイズの需要は大きく、家族やルームメイトと過ごす強制的なおうち時間から来る、ネガティブな心理状態を抜け出すのに非常に有効です!というのは冗談ですが、この大変なご時世のネガティブな感情を克服するにはとても効果的な手段であるのは間違いないでしょう。
多くのジムやパーソナルトレーナーは、アプリを開発したり、InstagramやYoutubeチャンネルを開設してライブレッスンやトレーニングのコツ・プランを投稿するなど、オンラインでのサービスを提供しています。
新型コロナウイルスによる緊急時には、誰もがみなデジタルテクノロジーを救世主として大歓迎しています。というのも、この技術は本当に一人ひとりの役に立っていますし、他の人に連絡してコミュニケーションを取ったり、様々な活動の機会を得たりできるのもこの技術のおかげだからです。数ヶ月前までは、デジタルテクノロジーがあまりにも生活に入り込んでくることに不満を持っていた人たちでさえ、今では、公的機関とのやりとりから個人間のコンタクト、必要不可欠なニーズへのサポートまで、全てのレベルにおいてそれが非常に重要な役割を果たしている、ということを認めざるを得ないでしょう。長期間に及ぶロックダウンやそれによって引き起こされた困難な状況に対処するには、デジタルテクノロジーに勝る方法はないのですから。
- 2021.06.10
- デジタルワールドと長引くロックダウン