この祝日には、街のいたる所やバルコニーにメープルの葉が描かれた旗が掲げられます。通常であれば穏やかな雰囲気の中、みんなで記念日を祝うのですが、ここ2年はコロナ禍のために例年通りというわけにはいかず、残念ながら大規模な祝賀行事も行われていません。
例年ですと、ブリティッシュ・コロンビア州からラブラドール州まで、今日のカナダを構成する13の州でパレードや花火大会、フードフェアなどが開催されます。
7月1日は、かつては「ドミニオン・デー」と呼ばれていました。1867年7月1日にカナダの各州が設立されたことにちなんだこの日は、重要な祝日となっています。
今年の建国記念日にはあまりたくさんのことはできませんでしたが、前の日も仕事を休みにできたのと、ちょうど気候も良い時期なので(カナダは大熱波に襲われているので、暑すぎるくらいですが)、街の中を歩いて探索することにしました。そういうわけでオタワの街の散策をスタートしたのですが、定番の観光スポット以外にも多くの発見がありました。
この国民の祝日に特別な敬意を表して、この街にある燃える炎を訪れることにしました。このセンテニアル・フレームは、1867年に設立されたカナダ連邦の100周年を記念して国会議事堂のすぐ前に設置されました。
中心にメタンを燃料とした炎が灯っている噴水で、炎が消えることはありません。
こちらは国会議事堂へとつながる通りの始点にあります。歴史を紐解くと、このモニュメントは当初は1年だけ展示される予定でしたが、カナダの人々にとても歓迎されたので政府はこの炎を無期限で灯しておくことに決めたのです。
この炎には誇りに満ちた意味があります。カナダ政府は、この国を構成する文化の異なる民族をひとつにするために、水と炎を共存させることが可能なこと、そして文化や伝統の多様性を乗り越えてひとつの素晴らしい国を築くことができるということを示してきたのです。
パーラメント・ヒルはカナダの行政と政治の中心拠点です。
オタワ川沿いにそびえ立つこの丘には、ビクトリア様式で建てられた壮麗な国会議事堂やその他の政府機関があります。建物の四方には美しい緑地が広がり、リスやビーバーを見かけることも多いので子供たちには大人気なのですが、それだけではありません。
通常時であれば、希望者はイースト・ブロック(東棟)と下院の本会議場のガイド付ツアーに参加することもできます。といっても、パンデミックのためツアーは中止になっていると思われますが。
パーラメント・ヒルからメジャーズ・ヒル・パークまで歩いてみました。ここはバイワード・マーケットと国立美術館のすぐ横にある美しい緑地です。1875年、カナダの首都に最初に建設された公園で、慌ただしい都会での一日のなかでちょっと息抜きするのにぴったりの場所です。
ここからはリドー運河の最高の眺めも楽しめますし、ヘッダー・ハウスに入ると地元のアーティストによる作品のコレクションを見ることもできます。公園内にはピクニックエリアもいくつか用意され、バイワード・マーケットで見つけた様々な地元の特産品を楽しむにはうってつけの場所です。
散歩の終着点は、17世紀にこの川を探索したフランス人探検家、サミュエル・ド・シャンプランの像が目印のネピアン・ポイント。
こちらはオタワ川を見渡す小高い丘の上にあり、カナダ国会議事堂の素晴らしい全景を一望することができます。
ここからはオタワのダウンタウンエリア全体も見渡せ、美しい景色が360度広がっています。
ネピアン・ポイントにあるフランス人探検家の像の下には、かつてはアニシナアベ族の偵察兵の像も建てられていたのですが、もっと人々の目につくようにとメジャーズ・ヒル・パークに移転されました。