• 2022.01.27
  • コロナ禍のクリスマス休暇 パート2
こちらカナダでは、オミクロン株の流行でクリスマス休暇が台無しとなりました。
ニュースでは「オミクロン株」と呼ばれていますが、昨年からある「おなじみの」コロナウイルスの中でも感染力の強い変異種です。
感染者数が非常に多いため、再び一種のロックダウンが実施されることとなりました。リスクが高く、状況も複雑なので、私のイタリアへの帰国は叶いませんでした。
とはいえ、オタワの中心部ではライトアップが実施され、多くの市場では地元の工芸品やクリスマスのオーナメントが販売されるなど、カナダの人たちは何とかしてこの休暇を楽しく過ごそうと工夫を凝らしていました。コロナの恐怖はそこいらじゅうにはびこっていたものの、毎年恒例の募金活動も(注意喚起しながらですが)行われましたし、サンタクロースだってプレゼントの配達を諦めたりはしませんでした。みんなが大好きなこの髭をたくわえた老人にとっても、厳しいクリスマスとなりました。
こちらオタワでは、サンタクロースは子どもたちとふれあうために万全の安全策を講じていました。私がクリスマスプレゼントを買いに訪れたショッピングセンターでは、座っているサンタクロースの前に、新型コロナウイルス対策規則に従ってアクリル板が設置されていました。
クリスマスの雰囲気を損なわないように、写真撮影ととびきりの笑顔をお届けすることは従来通りでしたが、檻の中に入らざるを得なかったのです。かわいそうなサンタクロース!
市場でもサンタクロースは補助スタッフを携えてアクリル板の後ろにいて、「アクリル製サンタの家」の周りに集まった子どもたちに向けてちょっとしたショーを行っていました。

カナダのジャスティン・トレド―首相は、カナダの全公務員と鉄道や飛行機、船を利用する12歳以上の乗客に対して、10月末に世界でも類を見ないほど拘束力の強いワクチン接種義務を課したのですが、それにもかかわらずクリスマス休暇じゅう、新型コロナウイルスは大きな問題となりました。
州をまたがって移動する際には、検査で陰性であることだけではもはや不十分で、ワクチン接種証明を提示することが義務化されています。
政府の発表によると、新しい規則は半年ごとに見直されるようで、それは規則が不要になるまで続けられます。その日が早く訪れるよう願うしかありません!
カナダでは成人の80%以上へのワクチン接種が完了しています。選挙期間中、トルドー首相は抗議活動を行う反ワクチン団体から大きな反発を受けましたが、彼が率いるカナダ自由党は、新型コロナワクチンキャンペーンに重点を置いた選挙戦を行い、勝利を収めました。

クリスマスに話を戻しましょう。オタワのダウンタウンでは今年も恒例のクリスマスマーケットが開催され、食べ物の屋台に加え子どもたちに向けた小さな遊園地も設けられました。
今年新しく登場したもののひとつに、「大声で叫ぶことができる部屋」がありました。子どもたちのために設けられたこの部屋では、自分の感情を大声でぶちまけたり、はたまた夢を叫んだり喜びを表現したりと、行動が制限されるこの期間中に胸の内にため込んでいたものを吐き出すことができるのです。
シンプルですが非常に効果がありますし、素晴らしく斬新なアイデアですね。
私はハウスメイトと一緒にクリスマスを祝いました。カナダ式クリスマスメニューはアメリカの感謝祭の昼食ととてもよく似ていて、詰め物をした七面鳥(またはアヒルかガチョウ)をメインに、ジャガイモや芽キャベツなどの副菜とクランベリーソースを添えるのが一般的です。七面鳥やガチョウは2人で食べるには大きすぎるので、代わりにチキンを選びました。
カナダのクリスマスメニューといえば、他にもフランス発祥の丸太を模したケーキのブッシュ・ド・ノエルや、アカディア(フランス人入植者)料理のラッピーパイ(ジャガイモと肉のパイ)などがあります。
ハウスメイトが作ってくれたおかげで今回初めてこのパイを食べたのですが、薄切りのジャガイモを焼いて何層にも重ね、その上にサクサクの生地を乗せたミートパイに似た美味しいパイで、一年中食べたくなる味でした。
食事のお供には、スパイスとレーズン入りのホットワイン、グリューワインを頂きましたが、悪くない組み合わせでしたよ!

特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。スコットランドのエジンバラ在住で、土木技師をしています。趣味は詩を書くことです。9年ほど前にイタリアからスコットランドへ移住し、この土地に惚れ込んでいます。雨の多い気候を好まない人もいますが、その気候のおかげでここは緑豊かな風景に恵まれています。暇を見つけては、車でエジンバラ郊外へ湖や渓谷を見に出かけています。

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