今回のブログでは、先週初めて訪れたサンアントニオ(San Antonio)の街を紹介したいと思います。
サンアントニオはオースティンからもほど近く、週末になると多くの人が訪れます。逆に、サンアントニオからオースティンにもたくさんの人がやってきます。運河沿いの遊歩道・リバーウォークがある雰囲気の良い中心街の他にも、アラモ砦や18世紀にスペイン人のカトリック宣教師たちによって建設されたキリスト教伝道所といった歴史的な一面も持ち合わせているのがこの街の特徴です。
住民の半数以上はヒスパニック系ですが、メキシコとの国境にも近いので、そのほとんどはメキシコ人ではないかと思います。南アメリカ大陸の魅力が感じられるとともに、以前は植民地にもなっていました。サンアントニオの街はスペイン人入植者により1700年代に作られました。
スペインの歴史遺産とメキシコの建築や伝統を受け継ぐこの街には、素晴らしい歴史的・文化的見どころが満載です。
150万人の人口を擁するサンアントニオ。街に車で到着した時点ではいまいち魅力に欠けるように感じられますが、中心街に足を踏み入れるやいなや魅了されること間違いありません。
川が街の真ん中を流れていて小さな運河もあるので、サンアントニオは「テキサスのリトル・ベニス」と呼ばれています。また、テキサスで最もヨーロッパ的でロマンチックな場所としても知られていて、徒歩や自転車で手軽に散策することができます。
生活の質の高さと街の力強さが人々を惹きつけ、住民の数は40年間で2倍に膨らみました。
サンアントニオの中核をなすものといえば、なんといってもリバーウォークです。ダウンタウンが魅力あふれるエリアになっているのも、街の中心部を流れる運河のおかげです。パセオ・デル・リオ(Paseo del Rio、スペイン語で「川の遊歩道」の意)とも呼ばれるこの遊歩道は昼夜を問わず散策にぴったりで、道沿いにはレストランやホテルが建ち並んでいます。小さなボートに乗って運河を巡ることもできますよ。
街の緑地としての機能も果たしているリバーウォークは、サンアントニオを語るうえで欠かせない存在です。1920年代初め、サンアントニオ川で大きな氾濫が発生しました。これを受けて市は洪水対策に乗り出し、地元の建築家の協力のもと長い年月をかけてリバーウォークの構想を練り上げました。
この案は、当初は地元の人たちに受け入れられませんでしたが、1930年代になって資金調達が完了し、建設が開始されるに伴い共感を得ていきました。
テキサスではすでに気温が40℃前後になっているので、さっと日陰に入って一杯飲むのは最高の気分でした。可愛らしい小さな橋を渡って岸から岸へと歩き回るのも楽しかったです。
リバーウォークの近くにアラモ伝道所(アラモ砦)があります。多くのテキサスの住民にとって、ここはメキシコ共和国軍相手に少数で勇敢に戦ったテキサス分離独立派兵士たちの強さ、勇敢さ、意志の強さを象徴する場所です。ここが舞台となった『アラモの戦い』での彼らの雄姿は、後世に語り継がれています。
「アラモを忘れるな」という言葉も有名で、アラモ伝道所はテキサスで最も名の知れた建物です。アラモの戦いでは少数精鋭のテキサス分離独立派の兵士たちが、州の南部に位置するこの砦でメキシコ軍を足止めし撃退を試みました。
残念ながらメキシコ軍の攻撃によりアラモ守備隊はほぼ全滅しますが、アラモの戦いはテキサス人にとって抑圧に屈しない勇敢なる抵抗と独立のための戦いを象徴する出来事として長く語り継がれるようになりました。その後、同じ年にテキサスはメキシコからの独立を成し遂げました。
サンアントニオには、スペイン国王がアメリカ西部の植民地化と先住民のキリスト教への改宗を目的として建てた5つのキリスト教伝道所があります。アラモを含むこれらの伝道所の多くは、その後宗教的機能を失い、城塞となりました。