• 2022.10.17
  • テキサス中が熱狂するアメリカンフットボール
他の州と同様に、テキサスでもスポーツ文化が盛んです。
テキサスの人にとってアメリカンフットボールはまさに「生きがい」のようなもので、プロ・リーグのNFLに所属するチームだけでなく、未来のスター選手を数多く排出する州立大学のチームにも熱い視線を注いでいます。
テキサスには、ヒューストン・テキサンズとダラス・カウボーイズの2つのNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)チームと、ヒューストン・ロケッツ、サンアントニオ・スパーズ、ダラス・マーベリックスの3つのNBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)チームの本拠地があります。
9月8日、ロサンゼルス・ラムズ対バッファロー・ビルズの試合でNFLの2022年シーズンが開幕しました。今年で103回目のレギュラーシーズンを迎えるNFLは、世界最高峰のアメフトリーグです。
野球がアメリカ最上級の娯楽だとすると、アメフトは「純粋に情熱を注ぐスポーツ」と言うべき存在でしょうか。特にテレビが登場して以来、競技人口はバスケットボールや野球などの方が多いにもかかわらず、アメフトはアメリカで最も重要なスポーツになりました。
唯一無二の存在であるアメフトは、アメリカ文化における一大スペクタクルであり、高校や大学で開催されるホームカミングのメインイベントとなるスポーツであり、そしてアメリカが世界に誇る最重要コンテンツなのです。
スーパーボウルや正月に行われるカレッジ・ボウルゲームをはじめとする大学チームの試合は大人気で、この国の人たちが地元や地域、国、大学などのアイデンティティを称える場となっています。
アメリカの人たちにとってのアメフトはどのような存在なのでしょうか?アメリカ文化にこれほど大きな影響を与えるチームスポーツはほとんどありませんし、他に類を見ないほどにコミュニティーをひとつにする力があります。
テキサスでは、アメフトの試合が行われる日には誰もが観戦してスコアをチェックするか、少なくとも試合の結果を気にかけます。
テキサスを始め、アメリカ全土のすべての高校にアメフトチームがあります。チームのマスコットまでいて、専用の競技場や設備も整っています。
もちろん、各校に最低1人はコーチがいます。専任のコーチがいる場合もあれば、非常勤講師がコーチを兼任している場合もあります。
高校生プレイヤーの最大の目標は、セレクションを経て有名大学の奨学金を獲得すること。
アメリカには何百ものアメフトプログラムがあり、その多くが優秀な選手に奨学金を給付しています。
とはいえ、すべてのプログラムに十分な資金があるわけではないし、無尽蔵に支給できるわけでもないので、毎年どれほどの奨学金が給付されているのかは知る由もありません。

また、24時間放送しているアメフト専門チャンネルまでありますが、週に1試合しかないため、ちょっとしたイベントのように扱われています。レギュラーシーズンに開催されるのは全部で17試合だけなので、1試合1試合が重要なのです。

10代の若者たちの生活をモチーフとして、アメリカの高校での人間関係や対立を取り上げた映画もたくさん作られています。
こうした映画にはアメフト選手とチアリーダーの関係が登場するのがお決まりです。アメフト選手は体力を武器に自分の優位さを誇示するいじめっ子として、チアリーダーは人気者で自信満々の美人として描かれることが多いようです。
アメフトをプレイすることはステータスシンボルであり、重要な意味があり、楽しそうだと考えられていますが、ネガティブな側面も含めてこれほど象徴的な意味を持つスポーツは他にないでしょう。暴力や厳格な上下関係があり、男性のみが参加できるアメフトは、アメリカの文化や社会におけるありとあらゆる不公平を具現化したスポーツでもあります。
お祝いやイベントと関連付けられることが多いアメフトですが、かの有名なスーパーボウルは一年の中で全米が最も熱狂するスポーツイベントです。試合中にはアメリカで最も放映料が高いCMが流れます。この日のためだけに制作された特別なCMを見るために試合を観戦する人も多く、特にハーフタイムに放映されるCMは毎年大きな注目を集めています。
まるで映画のようなクオリティーで予測不可能な展開、シュールな笑い、さらには特殊効果による演出まで使われていて、数多くのスーパーボウルのCMが話題になりました。
また、セレブの登用とスターのカメオ出演もこうしたCMの定番となっています。
チケットの売上げ、商品化権やライセンス権、企業のスポンサー料などの収益もありますが、NFLの収入の大半はこのようなテレビ契約によって賄われています。

テキサスでアメフトの試合を観に行くのが楽しみでたまりません!

特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。イタリアからスコットランドへ移住し、2022年4月にアメリカのテキサス州オースティンに引っ越してきました。
仕事は土木技師、趣味は詩を書くことです。時間のあるときはドライブをして新しい場所を発見するのが好きです。
アウトドアが大好きで、キャンプやハイキングにもよく行きます。
この新たな土地でたくさんの友達をつくって、みなさんにもこの街のことを知ってもらえればと思います。

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