• 2023.02.16
  • アメリカのキャンパス事情
私のオースティンを知る旅は進行中で、完璧な「オースティン人」になるにはまだまだ時間がかかりそうです。
カナダからオースティンに引っ越してきてから日も浅いし、移住する前にこの街を訪れたのもほんの数回だけなので、仕方ないですね。

オースティンを訪れた人は、その奇抜さ、カラフルなギター(街のあちこちに展示されているモダンアート彫刻群)や未来について考えさせるような壁画に驚かされます。ここは、過去、現在、未来が混在する場所なのです。
巨大なハイテク企業を誘致する一方で、小規模な企業にも目を向けて活躍の場を設けるなど、非常に魅力的で暮らしやすいというのもこの街の特徴です。
また、オースティンはテキサスの学生たちの学術拠点としても知られていて、州内で最大規模を誇るテキサス大学(University of Texas)はとても優秀な大学として全米中に名声を博しています。キャンパスを訪れてみると、他の国の大学とは全く様子が違うことにすぐ気が付くでしょう。構内はまるで一つの街のようになっていて、建物から建物へは自転車か車に乗って移動します。
構内はどこも清潔で秩序が保たれていて、訪問者や入学希望者向けのキャンパスツアーは実際に大学に通う学生たちが案内してくれます。とても面白いので、機会があればキャンパス内で半日過ごしてみることをおすすめします。

私はすでに大学での教育を終えていますが、アメリカの大学がどんなものかを見てみたくて、ツアーに参加してきました。
アメリカの大学は私の母国イタリアや他の国の学生にとって常に憧れの存在ですが、大学のシステムや自国の大学との違いを知る人はあまり多くありません。
ツアー中には、カフェテリアや図書館に向かう人、トレーニングやフラタニティ(男子学生社交クラブ)の集まりから戻ってくる人、自転車に乗って友だちの寮を訪れる人など、何百人もの学生たちを目にしました。
アメリカの学士課程は4年間で、前半の2年間は一般教養科目を中心に取り組み、後半は選択した学位コースの専攻科目を重点的に学びます。
キャンパスはいわば「小宇宙」で、すべてが学生たちと彼らの生活を中心として成り立っています。
課外活動や学生寮、食事など、学生に必要なものはすべてキャンパス内にそろっています。
空いた時間をキャンパスで過ごせば、いつでも新しい魅力的な人々に出会えるし、友だちを作るのも簡単です。
ほかにも、学生団体やクラブに加わったり、大学が主催するスポーツイベントやパーティー、ミーティングに参加したり、ワークショップに参加して新しい趣味を見つけたりすることもできます。

入学後すぐに開催されるオリエンテーション・ウィークでは、アメリカの大学制度や組織、キャンパス内で得られる仕事など、ありとあらゆることを説明してくれます。
留学生は、文化や言葉の違いになるべく早く適応できるように手助けしてくれる「バディ」と呼ばれる学生のサポートを受けることもできます。
大学にはソロリティ(女子学生社交クラブ)やフラタニティ、演劇グループ、音楽クラブなどもあります。興味をそそられる団体がなければ自分で創設することも可能なので、同じ趣味嗜好や目的を持つ学生と出会う機会が得られますね。

大学構内にある学生寮に住む場合は、一般的には、他の学生と部屋をシェアすることになります。
食事に関していうと、大学にはカフェテリアがあって、ミールプランという、回数券のようなシステムを利用することができます。また、寮には学生が使える共用キッチンも備え付けられているので、自炊も可能です。
多くのカフェテリアではビュッフェ形式で食事が提供されていますから、腹ペコの学生たちも安心です。
学生たちは普通、徒歩や自転車で大学構内を移動していますが、キャンパスの外に出かける時は車を使います。さすがアメリカ人、みんな車を持っているのです!

アメリカの大学で学ぶというのは、ただ教育を受けるだけでなく、一人ひとりが個々の能力や芸術、スポーツ、仕事や文化に関するスキルを磨きながら、社会とのかかわり方を身につけ、世界を構成する一員としてあるべき姿を学ぶ場所なのです。まさに「人生経験」そのものですね。

特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。イタリアからスコットランドへ移住し、2022年4月にアメリカのテキサス州オースティンに引っ越してきました。
仕事は土木技師、趣味は詩を書くことです。時間のあるときはドライブをして新しい場所を発見するのが好きです。
アウトドアが大好きで、キャンプやハイキングにもよく行きます。
この新たな土地でたくさんの友達をつくって、みなさんにもこの街のことを知ってもらえればと思います。

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