• 2023.10.17
  • テキサス・ヒル・カントリー
テキサスは、アメリカで最も古くからワインが生産されていた場所のひとつです。この地でブドウの栽培が始まったのは、アメリカの一大ワイン生産地として知られるカリフォルニアよりも100年以上前のことでした。調べてみたところ、最古のテキサスワインは16世紀半ば、スペイン人宣教師がエルパソ地区で生産したものだということがわかりました。
気温が高いテキサスでは、カリフォルニアより2ヵ月、ヨーロッパ諸国より3ヵ月早い7月にブドウの収穫が始まります。

地域により多様な気候を持つため、様々な種類のブドウを栽培することが可能なテキサスには、3つの主要なワインの産地があります。そのうちのひとつ、州の真ん中にあるテキサス・ヒル・カントリー(Texas Hill Country)は、全米2位のワイン生産量を誇る地域です。
個人的な意見ですが、テキサス・ヒル・カントリーはテキサスで最も明媚なエリアです。なだらかな丘陵地帯にゲルマン系移民が作った隠れ里のような小さな町や牧場、ワイナリー、探索するのにぴったりの国立公園などが点在し、毎週開催されるロデオや歴史再現イベント、定期市やあらゆるジャンルの音楽フェスティバルなど、イベントも目白押しです。
要するに、アスリートや歴史マニアであれ、はたまたカントリーダンサーやワイン通であれ、ここにはどんな人でも楽しめるアクティビティが用意されているのです。古き良きテキサスを訪れる人々が求める、本物のカントリー・ウエスタンの雰囲気はここでしか味わえないので、十分に時間を用意してゆったりと探索してみることをお勧めします。ただ立ち寄るだけではなく、可能な限りじっくりと体験してみてください。
テキサス・ヒル・カントリーは、テキサス中央部の、オースティンとサン・アントニオ、フレデリックスバーグを結んでできる三角形の中に位置します。
川や湖が豊富で、肥沃な土地に恵まれたこの場所は、地質学的に見ると石灰岩の丘で形成されているので「Hill Country(丘陵地)」と呼ばれるようになりました。
ワイン造りの伝統が発展したため、「テキサスのトスカーナ」というニックネームが付けられています。
この地域は、州南部の熱帯性気候と北部の半乾燥気候を掛け合わせたような、かなり独特な気候を有しています。降雨量は年間を通じてほぼ一定で、時々激しい雨が降ります。
ここでは、数あるワイナリーでテイスティングを楽しむこともできるし、ひとつのワイナリーに絞って、ワインツアーに参加してゆったりとした時間を過ごしながらワインについて学んだり、場合によっては一晩過ごしたりすることもできます。
実際に訪れてはいないのですが、岩を掘って作ったワイナリーがある、という記事を目にしたことがあります。洞窟の中に、大きな木とガラスの窓を備えた非常にモダンな仕上がりの素敵なワイナリーがあるそうです。

バンデラ(Bandera)という小さな村を訪問してみるのもお勧めです。
19世紀後半にテキサスの牧場からカンザス、オクラホマ、ネブラスカの市場まで牛の群れを運んだ有名な家畜輸送ルート「グレート・ウエスタン・キャトル・トレイル(Great Western Cattle Trail)」の中心地だったため、「世界のカウボーイの首都」と呼ばれています。
また、大規模なポーランド人コミュニティがあることでも知られ、地元の企業の多くはポーランド系移民の子孫たちが営んでいます。
ポーランド系ベーカリーでは、伝統的なポーランド名物がたくさん売られています。
ダウンタウンには、旧裁判所や郡刑務所などの壮観な建物が数多くあります。
この街の歴史に触れてみたいなら、フロンティア時代博物館(Frontier Times Museum)に行ってみましょう。馬の鞍やブーツ、服、日用品や工芸品のほか、入植時代から伝わる一風変わった珍しい品々が展示されています。この地域の偉大なカウボーイたちやロデオチャンピオンの殿堂を訪れることもできますよ。
バンデラを訪れるべき最大の理由は、なんといっても街に漂うウエスタン風情にあります。写真のように、カウボーイスタイルのブーツや帽子、革製品を販売する店が雰囲気を一層際立たせています。



特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。イタリアからスコットランドへ移住し、2022年4月にアメリカのテキサス州オースティンに引っ越してきました。
仕事は土木技師、趣味は詩を書くことです。時間のあるときはドライブをして新しい場所を発見するのが好きです。
アウトドアが大好きで、キャンプやハイキングにもよく行きます。
この新たな土地でたくさんの友達をつくって、みなさんにもこの街のことを知ってもらえればと思います。

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