プロムは人生の一大イベントですから、万全の状態でこの夜を迎えようと、男子も女子も何か月も前から準備を始めます。
学校の体育館をきらびやかに飾り付けて開催されることが多いダンスパーティーでは、プロム・キングとプロム・クイーンが発表され、王冠とサッシュが贈られます。学校行事での活躍度合いに基づいて生徒による投票で選ばれ、最も多く票を集めた男子と女子にキングとクイーンの称号が与えられます。
大人として認められるようになる公式な門出の行事として、プロムは生徒にとって重要な意味を持つイベントです。伝統的に、プロムは子どもたちが初めて日が暮れてから車を運転したり、リムジンをチャーターしたり、両親公認でデート相手と二人で出かけたりする日なので、誰もがタキシードなどのフォーマルな装いや特別なドレスに身を包みます。
特に女子生徒たちはプロムに特別な思いを抱いていて、この日のために数か月前からショッピングに出かけ、自分にぴったりのドレスを探します。ロング丈のカクテルドレスが定番です。
黒やピンク、紫、ライラック、白など何色でもOKですが、ただ一つ、「印象的で、鮮やかで華やかなドレスを選ぶ」ことだけは忘れてはいけません。それから、ドレスにマッチしたヘアスタイルやメイク、靴のほか、手首に飾るコサージュ用の花も重要です。(通常、コサージュは、お迎えの際にプロムのパートナーとなる男子生徒から女子生徒にプレゼントとして贈られます。)
アメリカのティーンをテーマにしたコメディ映画を見たことがある人なら、どんな様子かをきっとお分かりいただけることでしょう。
メインイベントは、卒業する生徒全員が参加する夜のダンスパーティーですが、プロムのお祝いは朝から晩まで続きます。クラスメイトやそれ以外の仲良しグループが集まって、プロム前のイベントやアフターパーティーなど様々な催しを楽しみます。
プロム当日、生徒たちは朝早くから準備に取り掛かります(もちろん、女子生徒であればなおさらに)。ヘアサロンや散髪屋に行き、ネイルを仕上げ、メイクはプロに依頼する場合も。プロムの準備は結婚式と非常によく似ています。
一連の準備が子どもたち以上に興奮した両親の指導のもとで行われるのも、実際の結婚式と同じですね。
そしてようやく支度が調うと、生徒たちは記念撮影の会場へと移動し(各グループとも、計画段階で最適な撮影場所を決めておきます)、ありとあらゆる組み合わせで写真を撮ります。みんなで一緒に、個人で、親友と、プロムのパートナーと、といった具合です。もちろん、セルフィーも山ほど撮ります。
定番の滝やプール、お花畑以外にも、様々な場所で撮影が行われます。
2時間ほど写真を撮ると、ようやくプロム会場での夕食(ビュッフェが一般的)となり、その後ダンスが始まります。一緒に踊ったり楽しい時間を過ごしたり、おしゃべりしたり、ふざけあったり。ダンスパーティーがお開きとなった後も、宴はさらに続き、夜通し仲間と楽しむのです。
アメリカのティーンエイジャーにとって、プロムは特別な日です。特に田舎では、エレガントな装いで友達と一緒に一日中パーティーに参加する機会は稀なので、なおさらに盛り上がります。
聞いたところによると、テキサスでは各高校が生徒を非常に誇りに思っているし、コミュニティ内のつながりも強いので、プロムはとても大切なイベントとなっているそうです。