初期にアメリカに入植したアイルランド移民の伝統に由来するこのイベントは、今ではアメリカ文化にとって欠かせない存在です。
ハロウィーンの定番と言えば「トリック・オア・トリート（お菓子をくれなきゃいたずらするぞ！）」、そしてカボチャを食べること。ですが、残念なことに、このカボチャの「いたずら」が腹痛を引き起こすこともあるので、注意が必要です。
八百屋やスーパーでカボチャを購入する際には、全てのカボチャが食べられるわけではない、ということを念頭に置きましょう。とはいえ、形や色、大きさから食用かどうかを判断することはできません。おいしい料理に変身する食用カボチャもあれば、ゴード（gourd）とも呼ばれる観賞用のカボチャもあります。後者はハロウィーンの季節に家の周りの装飾やランタンに使われるもので、食べられません。
観賞用カボチャには苦みのある有害成分が含まれており、食べると腹痛やけいれん、嘔吐などを引き起こす危険性があります。
毎年秋になると、市内や郊外のあちこちにカボチャ畑がオープンします。
こうした畑の多くは、カボチャの収穫以外にもあらゆる年齢層が楽しめるアクティビティを提供していて、季節限定のアミューズメントパークになっています。馬車の乗車体験や干し草の迷路、子どもたちの遊び場のほか、パンプキン・ドーナツやアップル・サイダーといった秋の味覚を販売する屋台などが敷地内に並びます。
また、カボチャカービングコンテストもよく開催されています。アーティストやアマチュアが創造性と腕を披露する、芸術と伝統が融合した楽しいイベントです。
また、畑で食用カボチャを収穫して、家に持ち帰ることもできます。
カボチャは秋を代表する食材のひとつで、パイやスープ、ラビオリ、アイスクリーム、プリンにオムレツ、シチューなど伝統的な料理から現代風アレンジまで、幅広くアメリカ料理に使われている主役級の野菜です。
アメリカ発祥のパンプキン・パイは、ハロウィーンやサンクスギビング、クリスマスの頃に作られることが多いデザートです。
生地やフィリングなどいくつかの工程で作る私のレシピをご紹介しましょう。材料は、およそ6人分です。
【土台用材料】
粉砂糖 120g
小麦粉 350g
卵黄 2個分
バター 250g
バニラエッセンス
レモンの皮のすりおろし
【作り方】
バターに粉砂糖を加えて混ぜます。
さらに卵黄、バニラエッセンス、すりおろしたレモンの皮を加えて混ぜ、なじんだら最後に小麦粉を加えて素早く混ぜ合わせます。
生地をラップに包み、冷蔵庫で15分ほど寝かせます。
冷蔵庫から生地を取り出し、麵棒で厚さ2mmに伸ばします。
180℃に温めたオーブンで1時間焼きます。焼きあがったらオーブンから取り出し、完全に冷まします。
【フィリング用材料】
卵 1個
グラニュー糖 30g
カボチャピューレ 125g
リコッタチーズ 50g
生クリーム 40g
シナモン
バニラエッセンス
レモンの皮のすりおろし
【作り方】
ボウルに皮を取り除いてペースト状にしたカボチャとリコッタチーズ、砂糖を加えて混ぜ、さらに卵とシナモン、バニラエッセンス、すりおろしたレモンの皮を加えます。なめらかになるまで泡立て器でよく混ぜ合わせたら、最後に生クリームを加え空気が入らないように気を付けながら混ぜます。
【イタリアンメレンゲ用材料（トッピング用）】
水
グラニュー糖 225g
ブドウ糖 60g
卵白
シナモンパウダー
【作り方】
卵白にブドウ糖の半量を加えて泡立てます。鍋に水と砂糖を入れ、加熱してシロップを作ります。シロップの温度が110℃になったら残りのブドウ糖を卵白に加え、さらに泡立てます。121℃に到達したら、ブドウ糖を加えて泡立てた卵白にシロップを加え、粗熱が取れるまで泡立てます。
ここからは、最後の仕上げです。焼いて冷ましておいた土台にカボチャフィリングを入れ、180℃のオーブンで10分焼きます。仕上げにイタリアンメレンゲを上に乗せて少量のシナモンパウダーをふりかければ、パトリック流パンプキン・パイの完成です。
