この飲み方が進化して、フィルターを使ってコーヒー豆の香りや旨味を抽出するアメリカ式コーヒーメーカーの普及に繋がりました。今日では、豆の品質、焙煎や挽き方の精度が引き出され、独特の風味を楽しむことができるドリップコーヒーは、エスプレッソと双璧をなす存在となっています。
抽出工程では、紅茶を淹れる時と同様に、挽いたコーヒー豆をフィルターに入れて熱湯をくぐらせます。この方法により、複雑で多面的な香りを繊細に抽出することができ、風味豊かではあるものの濃度を抑えた味わいのコーヒーを淹れることができます。
ドリップコーヒーはエスプレッソに比べて苦みが少なく、濃度も控えめですが、香りがよくて飲みやすいのが特徴です。ゆっくり時間をかけて1杯のコーヒーを楽しみたい人にぴったりですし、刺激が少ないので、より多めの量を味わうのにも適しています。
コーヒーメーカーでドリップコーヒーを淹れる際は、まず挽いたコーヒー豆を紙フィルターや金属製フィルターに入れ、給水タンクに水を入れます。この水は機械内部でコーヒー抽出に最適な温度まで加熱されます。
水が温まると、挽いた豆が入ったフィルターにお湯がゆっくりと注がれます。この浸透過程により、コーヒー豆に含まれる油分や香り、揮発性物質が徐々に抽出されます。その結果、複雑なアロマを持ちながら、エスプレッソよりもカフェイン濃度が低く、マイルドな口当たりのコーヒーが出来上がります。
ドリップコーヒーメーカーは使いやすいように設計されていて、数時間の保温などの機能が付加されているものも多くあります。風味を損なうことなくコーヒーが最適な温度に保たれ、一日中好きな時間にコーヒーを楽しむことができるので、オフィスや家庭ではドリップコーヒーメーカーが人気です。
コーヒーの量は使用する機械や個々の好みによって多少異なりますが、一般的には水200mlに対してコーヒー粉7~8gが推奨されています。
この分量比に従うと、適切に風味が抽出され、バランスの取れた味わいのコーヒーを淹れることができます。
コーヒーメーカーの製造元が定める手順に従うことも大切です。機種ごとに最適な抽出条件が多少異なる場合があるためです。操作に慣れてきたら、使用する粉の量を調整して自分好みの濃さや味わいのコーヒーを淹れることもできます。
また、コーヒー豆の挽き具合も重要です。ドリップコーヒーには、ろ過の際にしっかりと成分が抽出できる中挽きが最適とされています。粉が細かすぎると苦みが増し、粗すぎると風味が弱まって物足りない味になってしまいます。
バランスの取れた香り高い味わいのコーヒーを淹れたいなら、アラビカ豆を100%使用した浅煎りブレンドがお勧めです。このタイプはよりまろやかで繊細な味わいが楽しめます。
コーヒー豆の種類に加えて、鮮度も味を大きく左右する要素です。豆の香りや特性を損なわないためには、コーヒー豆を挽いた直後に抽出するのが好ましいです 。
良質なブレンド豆を選び、適切な粒度で挽くことが、香り高く美味しいドリップコーヒーを淹れる秘訣です。産地や焙煎度の異なる豆を試してみると五感による体験がさらに豊かになりますし、様々なコーヒー豆が持つ微妙な風味の違いを味わうことができます。
私はペーパーレス式のドリッパーを使用しています。
