そこで、この時期はカーニバルで賑やかに仮装し、この憂鬱さを吹っ飛ばします。予め今年のテーマ決め衣装を選んだり、自分で制作したり、カーニバルの楽しい時間を仲間達と分かち合うことは、この時期の一大イベントであり元気の源となります。
ドイツでは、主にラインラントからバイエルンなど、カトリックの多い地域で行われてきました。とりわけケルンとデュッセルドルフが有名ですが、様々な場所でパレードが行われるので、地域密着型のイベントとして多くの人達に愛されています。
お店で様々な衣装を見ているだけで心がワクワクしてきます。
例年、カーニバルの週(木曜日〜火曜日、最後の儀式は水曜日)は、雨や雪がぱらついたりして、零度近い寒さのお天気には恵まれない日もあります。それでも着ぐるみを着て防寒対策をしたり、顔にペイントしたり、マスクをつけたり、海賊になってみたりときらびやかに仮装してカーニバルに繰り出す姿は、寒さや憂鬱さを感じさせず、ある意味勇敢とも言えます。
まず初日は「汚れた木曜日」と呼ばれる「Weiberfastnacht(ヴァイバーファストナハト)」。この日は女性たちが主導権を握り、ハサミを持って市庁舎に押しかけ男性のネクタイを切ることができます。
そして、連日子供用のパレードや大人の仮装パーティが各地至る所で行われます。
カーニバルのメインイベントはなんと言ってもRosenmontagローゼンモンターク(バラの月曜日)。ケルンでは「Alaaf! アラーフ!」、デュッセルドルフでは「Helauヘラウ!」というかけ声をかけながら、沢山のパレード参加者がお菓子やお花を観客に向けて投げてくれます。
今年は小さな町のカーニバルパレードに行ってきました。各パレード車は、人の大きさほどある車輪のトラクターを改造しており、子供も寒さを忘れ大喜びでお菓子を拾い集めました。中には農家が玉ねぎを配る車両もありました。
若者向けのものは後方に低音BASSの利いたスピーカーが装備され、エルザとオラフによる仮装パーティはとても音量感があり、綺麗でした。
嬉しいお菓子の収穫
スミレの火曜日(Veilchendienstag)、ファストナハト(Fastnacht)と呼ばれる日はパレードの最終日です。
そして、「灰の水曜日 (Aschermittwoch)」でカーニバルは終了です。
デュッセルドルフではホッペディッツのお葬式が行われ、火葬されて灰になります。キリスト教では復活祭(イースター)までの40日間、キリストの断食をしのんで肉食を絶つ習慣があります。
最近では信者でなくてもこの期間アルコールやお菓子を控えたりして、春(イースター)の訪れを心待ちにします。