• 2018.03.19
  • とびきり美味しいソーセージ
ドイツで肉屋を営むには、ビールやパン職人同様「マイスター」という国家資格が必要です。まずは3年〜3年半マイスターの元で経験を積み「ゲゼレ」をいう資格を取得します。そして、マイスターになるまで更に専門的な技術力のみならず、経営学・教育学・開発力という総合的な角度からノウハウを学び、ようやく一人前の「食肉加工販売業者」としてのマイスター資格がもらえます。
お肉はドイツ語でFleisch(フライシュ)と言い、その名から肉屋という職業をFleischer(フライシャー)もしくはMetzger(メッツガー)と言います。またお肉屋さんは最後に-eiをつけ、FreischereiもしくはMetzgereiとなります。

Frühstück(朝食)とAbendbrot(夕食)
ドイツでは一日のうち温かい食事が一回、朝と夕方の二回は冷たい食事でよいという昔からの習慣があります。
つまり、朝と夕方はシリアルやヨーグルト、パンとスライスソーセージやチーズといったコールドミールが主流で、お昼に煮込み料理やポテトなどの温かい食事が一回あれば十分なのです。温かい料理を調理すると鍋やコンロも汚れ、掃除する手間が増えるので、主婦にとってはとても合理的とも言えるでしょう。



お肉屋さんの前で、スライスソーセージの何を買えば分からない時は、「200g Aufschitt, bitte. ツヴァイフンダートグラム アウフシュニット、ビッテ」というと、シンケンヴルスト、ビアシンケンやツンゲヴルストなどのスライスソーセージを適当に3〜4枚ずつ200g分見繕ってくれるので便利な言い回しです。



子供にはSchinkenwurstシンケンヴルスト
お肉屋さんでは小さい子供にSchinkenwurstという薄切りソーセージを一枚手渡してくれます。マイルドで食べやすいので子供たちにも大人気です。また多めに買ったらこのソーセージを細切りにして、ピクルスとマヨネーズで和えるとFleischsalatフライシュサラダとなります。パンにのせて食べても美味ですし、ジャガイモを茹でて和えると即席ポテトサラダが作れます。

「ブラートヴルストBratwurst」
焼きソーセージのことを「焼く:Brat、ソーセージwurst」と言います。
辛くないマスタードをかけて、パンやポテトサラダでいただくとボリュームがあり、主食となるので、特にグリルパーティではかかせません。



屋台へ行ったら「カリーヴルストCurrywurst」
お祭りなどの屋台へ行くと食べたくなるのがカリーヴルスト。
焼きソーセージに、ケッチャップベースのカレー風味がとても合います。
ポメスと言われるフライドポテト又はパンと一緒に食べます。更にマヨネーズをつけて食べると美味しいのですが、カロリーもその分UPするので日頃は控えたいところです。



フライシュケーゼ(レバーケーゼ)
フライシュケーゼはレバーケーゼとも言われるドイツ風ミートローフです。パンに挟んだレバーケースゼンメルは、バイエルンやオーストリアではファーストフードとして定番です。
また目玉焼きをのせて食べると相性抜群なので、ポテトサラダや焼きポテト、黒パンと一緒に食べると立派な一品になります。



レバーヴルスト
豚や子牛のレバーに香辛料を加えたレバーペーストはパンのお供。Grobグローブ(粗挽き)とFeinファイン(細挽き)、薫製されたものなど、色々と選べます。
中でも、グレー色のPfälzerleberwurst(フェルツァーレバーヴルスト)は香草が入っているため臭みがないので食べやすく、私の一番のお薦めです。


ドイツのソーセージは約1500種類もあり、一人当たりの消費量は年間約30キロとドイツ人の日常生活に欠かせない食材です。
マイスターが作ったドイツのソーセージはとびきり美味しいですが、油脂と塩分がたっぷり入っているので、身体や体型のことを考えて他の食材とバランスよく合わせて楽しみたいと思います。

(ことわざ)
Alles hat ein Ende, nur die Wurst hat zwei.
全てに終わりは一つだが、ソーセージは(終わりが)二つある。

特派員

  • 理夢
  • 職業いけばな活動家

ドイツ在住7年目。海外で「和の心」を忘れず、「いけばな」と「着物」を中心に日本文化活動を行う。日本の美を広めるべく、また次世代にも継承していけるよう精進して参ります。

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