• 2019.01.09
  • ドイツの自然派風邪治療法
寒い冬になると空気が乾燥し風邪が流行りますが、ドイツでは日本と全く違った風邪の治し方に驚かされます。
まず、日本だと室内を締め切って風邪薬を飲むのが普通ですが、ドイツでは少し位の風邪だったらお医者さんへ行ってもハーブティと安静を薦められます。(風邪は万病のもとなので、自己判断で軽視するのはいけませんが…。)
また、新鮮な空気を吸うことも大事ですので、窓を全開にして空気の入れ替えをしたり、身体が動くようなら軽い散歩で基礎代謝を高めることも推奨されます。
ヨーロッパでは風邪を薬で押さえ込まないで、安静にしつつ、自然治癒を促しながら治すのが主流なのです。

風邪にはハーブティ
Erkältungstee(風邪ハーブティ)は喉の痛みに効くセージ(Salbei)やタイム(Thymian)、エルダーフラワー(Holunderblüte)などのハーブがミックスされており、喉と器官の炎症を和らげてくれます。そこに喉に優しいハチミツを入れて一日数回たっぷり水分補給します。



咳には玉ねぎエキス(Zwiebelsalf)
昔から伝わるレシピは玉ねぎエキス。
玉ねぎ1つをみじん切りにして、ハチミツまたは氷砂糖を入れゆっくり火にかけます。しばらく放置し、エキスを漉して出来上がりです。玉ねぎの抗菌作用で咳や喉に効き目があるため、これを小さじ一杯飲んでもいいですし、薄めて玉ねぎ茶として飲用します。日本では大根やレモンをハチミツにつけますが、ドイツでは玉ねぎ。文化の違いを感じます。

鼻づまりにはInhalieren(吸引)と鼻スプレー
洗面器に熱いお湯とミントやユーカリなどのオイルや塩を入れ、頭からバスタオルをかけ、蒸気を吸引します。特別な口元だけ蒸気がでる容器もあります。蒸気を鼻からゆっくりと吸引することで、鼻づまりや呼吸が楽になります。
また、生理食塩水が入った鼻スプレーで洗浄することもあります。但し、クセにもなるそうなので注意が必要だそうです。こちらは花粉の時期などにお薦めできます。




身体を温めるには足湯、湯たんぽ、Warmekissen
足湯や湯たんぽは日本でも主流ですが、ドイツのWarmekissenは中にさくらんぼの種が入っています。それをレンジで温めることで、温かい温度が長時間持続し、身体を温めてくれます。



入浴(Erkältungsbad)
日本では風邪をひいているときは、体調が良くなるまでなるべく入浴しないようにしますが、ドイツでは身体を温めてErkältungsbadというユーカリ、カンフル、メンソールの精油が入った入浴剤を入れれば吸引効果もあるため、寒気がない限り入浴して治すそうです。


ドイツのハーブ酒「Klosterfrauクロスターフラウ メリッセンガイスト」
13種類のハーブとスパイスでできているお薦め自然薬をご紹介します。アルコール度79度、「メリッサ、アンゼリカ、生姜、ゲンチアナ、ブラックペッパー、クローブ、ナツメグ、シナモン、カルダモン」などを含んでいるメリッサハーブ酒です。



内服は大人5-10ml/回を少なくとも2倍の量の水で希釈し、一日3回(一日最大摂取量25mlまで)。風邪をひいている時は角砂糖を入れて、お湯で割るのもお薦めです。 風邪だけでなく、日常の生活のストレスによる頭、心臓、胃、神経の痛みを緩和してくれますので、外用として頭痛、肩こり、腰痛、生理痛など痛みのある場所に少量を優しくマッサージするとひんやりとした肌触りと甘い香りが筋肉をじっくりほぐしてくれます。

風邪が流行るこの時期、すぐに薬に頼るのではなく、他にもはちみつレモンなどビタミンCをとったりして、なるべく自然治癒力で風邪を治すことを心がけたいものです。

特派員

  • 理夢
  • 職業いけばな活動家

ドイツ在住7年目。海外で「和の心」を忘れず、「いけばな」と「着物」を中心に日本文化活動を行う。日本の美を広めるべく、また次世代にも継承していけるよう精進して参ります。

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