• 2019.03.13
  • ドイツの車事情
ドイツ郊外に住む人にとっては、毎日職場まで20km〜50kmを車で通うということは珍しくなく、車はドイツ人にとってなくてはならない必需品です。
今回はそんな車事情をお伝えします。

スピード王国 アウトバーン
ドイツのアウトバーン(高速)は約13,000km、無料でドイツ全土を網羅しています。そのうち、速度制限区域と無制限区域があり、速度制限区域では80km〜130km/時速の制限が設けられています。この速度制限区域ではスピードの取り締まりも厳しいので、時速100kmのだったら10%プラスの110kmまでは許容範囲だそうですが、特にカメラのある地点では速度制限を厳守したいところです。
それに対比し、無制限区域ではスピードリミットがないので、追い越し車線は時速200km以上で後方から追い抜かれることもよくあります。稀にポルシェやベンツなどのスポーツカーが後方から一瞬で走り去ることもあるので(恐らく時速250km位?!)、ミラーを見ながら真ん中を走行するのが得策です。



頑丈で安全なドイツ車
ドイツ車はスピードを出すのを前提に作られているので、アウトバーンでは最も安心して乗れる車と言えるでしょう。

<ドイツ車の特徴>
・頑丈なボディ
・高い加速性能
・安定した高速走行
・強力なブレーキ(特に4輪駆動の車は雨や雪の日でも滑りにくいので、心強いです。)

「ベンツ」、「BMW」、「ポルシェ」、「アウディ」、「フォルクスワーゲン」といったドイツ車は安全だけでなくエンジンも丈夫で、日本では10万キロ乗ったら廃車と言われるところ、ドイツでは普通に20万キロ、30万キロ走ります。
高価な車を長く乗ることはエコノミーであるため、中古車の評価額も下がらない理由の一つです。



ハンドルを握ると豹変するドライバー
カードゲームやテニスなどをするとその人の性格がわかると言いますが、ドイツではハンドルを握るとドライバーは変貌すると言われています。
普通の田舎道でも時速70〜100kmの国道があるので、のろのろ運転だとバッシングされることも多々あります。
日本のように「思いやり、ゆずり合い」という精神は個人主義の中には余りないので、アウトバーンに入る時にわざと後方車がスピードを上げ入れなかったり、5mもない車間距離に割り込んで来る時は、「思いやり、ゆずり合い」精神を逆輸入したいと思う瞬間でもあります。



素晴らしいLKW(トラック)規制
ドイツでとりわけ素晴らしい交通安全ルールだと思うところは、LKW(トラック)のドライバー達の可憐な走行姿です!制限速度を厳守し、アウトバーンが仮に三車線以上あったら、トラックは絶対に追い越し車線を走りません!!追い越し車線にトラックがいないということは、視界も良く、他の走行車にとっても安全です。(無理に速度を上げて走るトラックは転倒の危険性もあるため、心配な要素の一つです。)
ドイツではトラックドライバーへの規制は更に厳しく、一日の走行時間が決まっています。居眠り運転が危ない16時間労働などは決してありません(日本、スペイン、ポーランドの長距離ドライバーはこの限りではないようですが…)。
そして、必ず1時間休憩時間は停車するという義務があり、警察が調べたらキチンと休憩をとっていたか、まわり道はしていないかなど、走行距離と時間で分かる仕組みがあるそうです。日曜日のトラックは特別な許可がない限り、走行禁止です。
日本では時間との勝負もあるため、労働条件よりもサービスを重視しますが、トラックドライバーの安全性、秩序という意味では、ドイツの交通規制を参考にできることも多いと思いました。


特派員

  • 理夢
  • 職業いけばな活動家

ドイツ在住7年目。海外で「和の心」を忘れず、「いけばな」と「着物」を中心に日本文化活動を行う。日本の美を広めるべく、また次世代にも継承していけるよう精進して参ります。

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