• 2015.08.14
  • 学生の就職活動とかけて三方一両損と解く、その心は「誰も得しない」
今日は私の持論の話。既に聞かれた方には迷惑な話でゴメンなさい。
8月1日から採用面接が解禁となり、土曜日にも拘らず会社は面接で大忙しという日本のニュースが流れていました。「オワハラ」なんぞと云う新語も生まれたとか。多分、外国人には理解できない現象と思います。

日本では、講義を休んで授業料をドブに捨てる学生、勉強をしないで卒業する学生を採用する会社、研究の助けにもならず困る先生。その就職活動は誰も得をしない青田刈りシステムであることを自覚しない点に、問題があるような気がします。誰が悪いのかと言われれば、「『経団連』でしょう。」と冗談交じりに答えたくなります。一部の大企業では就職の概念も変わりつつありますが、他の企業も“新卒”志向をやめて世界標準に対応することこそ、世界に羽ばたく企業への脱皮の第一歩ではないでしょうか。

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アメリカでも、もちろんタイでも、大学の先生は授業を非常に大切にします。海外旅行も授業に合わせてスケジュールを組みます。これは休講にすると学生からブーイングが起こるからで、学生は授業料に対する対価を必ず求めます。日本の学生は経済観念が殆どなく、休講を喜ぶ風潮さえあります。新入生に授業料を聞くと「わかりません。」と答える学生が大勢いて、「親が銀行振込で直接払うから。」だそうです。こんな学生を採用する日本企業は気の毒かと思いますが、皆さんはいかがお考えになられますか?

私のいるタイでは、大学生が就職活動に走り廻るということはありません。大学にも「就職センター」や「就職課」などというものはありません。学生は、4年生の2学期ごろから、企業や官庁など勤め先を探し始め、良い先を見つけられなければ、卒業後も悠々と探し続けます。「先生、就職活動のために授業を休ませてください。」と言う学生に悩まされていた日本の大学時代とは大違いです。ただ、ここ数年間、失業率が1%以下のため、学生の供給不足となっています。そこで、当地でも青田刈りが始まっているのですが、その元凶は日本企業です。これには考えさせられます。

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タイの日本企業、特に、中小企業の日本人から「タイ人の従業員は長続きしない。」とも聞きます。転職するのが当たり前の世界ですから、文句を言う方が間違っているのでしょう。欧米の会社のように、人が入れ替わっても仕事が滞らないシステムを構築すべきかと考えます。日本の教育界の国際化が叫ばれていますが、企業の国際化も是非進めてください。

特派員

  • 関 達治
  • 職業大学人

大阪大学を定年後、同大学バンコク教育研究センター(現ASEANセンター)長として7年間勤務。2014年5月よりタイ国立モンクット王工科大学トンブリに勤め、“おじいさん先生”と呼ばれています。タイについてお知りになりたいトピックスがあればご遠慮なくご連絡ください。

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