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  • 2020.11.25
  • 生ハム後記
COVID19感染症第二波到来で先月10月25日にスペイン全土に出された警戒事態宣言がなんと2021年5月9日0時まで延長される事態となりました。外出の自粛や禁止の大変な状況にあるスペイン、特にこれからハロウィーンを皮切りにクリスマスや年末年始を迎えて人々が集る機会も多くなり、さらなる感染拡大が心配されます。

そんな中でお篭りストレスを少しでも和らげようと、せめてものプチ贅沢気分で、先日お知らせしたギネス認定の世界一高価な生ハム、折角のスペイン在住なので生産者“SIERRA MAYOR JABUGO S.A.U”社から直接お取り寄せしてみました。
お取り寄せHP https://sierramayorjabugo.com/cart
会社名に日本でも有名になった生ハムの名産地Jabugoハブーゴ村の名前がついていますが、実際はそこから30kmほど東にあるCorteconcepción コルテコンセプシオン村で作られている模様です。

 この会社のHPによると5年熟成ギネス認定クラスの生ハムの販売は一本売りのみです。重量によって三種類あり、6.50kg~7.00kgで通常価格590.82ユーロ、2020年11月現在はプロモーションで15%値引きして502.20ユーロで販売しています。一番大きなサイズは8.00kg~8.50kg物で15%割引価格が609.80ユーロ、日本円にすると換算率1ユーロ122円で計算して74,395円ですから日本でギネス認定された1,429,000円と比べると、もし重量が同程度でしたら約19分の1の値段で購入することが出来るという事になります。


ギネス認定世界1高価な5年熟成クラスのベジョータ100%イベリコ・ハム。Sierra Mayor社HP

 残念ながらこの5年熟成ギネス認定クラスの生ハムは一本販売のみで前期高齢者2人ではおいそれと消費できる量ではありませんし、このご時世、知り合いと共同購入も憚られますので今回は同じ生産者による3年熟成物のスライスパックを購入しました。送料の事などを考慮してハムだけなく、結局4種類のドングリ(ベジョータ)飼育100%イベリコ豚加工品を購入です。

① ベジョータ100%イベリコ・ハム(後脚)スライスが    100g 11.23ユーロ(1370円)
② ベジョータ100%イベリコ・パレタ(前脚)スライスが   100g 8.59ユーロ(1048円)
③ ベジョータ100%イベリコ・ロモ(熟成ロース)スライスが  100g 5.41ユーロ(660円)
④ ベジョータ100%イベリコ・チョリッソ(ソーセージ)が  300g 9.23ユーロ(1126円)
合計で送料・税込み47.57ユーロ(5803円)となりました。


ベジョータ100%イベリコ豚製品盛り合わせ。

肝心のお味はやはり普段使いのお気軽なハムとは違って風味絶佳・滋養豊富(?)別格な味と口どけ、ほのかな甘みと風味、絶妙な塩加減のバランス、と絶品です。とは言え貧乏性の私達にとっては気合を入れて自分達へのご褒美的な機会に食する特別な食べ物ですね。ワンランク上の5年熟成ギネス認定ハムとなればそれこそ美食の極みでしょう。

ところで2014年スペイン政府はイベリコ豚の生肉、生ハム(後脚)パレータ(前脚)、ロモ(熟成ロース)に関する新しい品質基準をR.D.(勅令)4/2014として発効しました。
公報 https://www.boe.es/boe/dias/2014/01/11/pdfs/BOE-A-2014-318.pdf

その中で生ハム(後脚)とパレータ(前脚)に関して新しいラベリング・システムが導入されることになりました。その基準はイベリコ豚の純血度と飼育環境(飼料)の兼ね合いで4つのカテゴリーに分類され黒、赤、緑、白の色別にタグ(ラベル)が適用されます。

実際のタグはこちら


ASICI(イベリコ豚取り扱い業者協会)のHP https://www.iberico.com/ からです。このタグ、スペイン語ではprecinto プレシントと言って封印の意味がありイベリコ・ハムとイベリコ・パレータの品質保証の証となるもので原木の脛の部分に必ず取り付けられます。このタグの発行機関はASICIです。

黒: デ・ベジョータ100%イベリコ  純血度(1)育成環境(飼料)A
赤: デ・ベジョータ イベリコ     純血度(2)育成環境(飼料)A
緑: デ・セボ・デ・カンポ・イベリコ  純血度(1)または(2)育成環境(飼料)B
白: デ・セボ・イベリコ        純血度(1)または(2)育成環境(飼料)C
カンポは野原、セボは飼料です。

純血度については
(1)100%イベリコ種:母豚、父豚ともに100%イベリコ種。
(2)75%イベリコ種:母豚が100%イベリコ種で父豚が他種との混血種か、
または、50%イベリコ種:母豚が100%イベリコ種で父豚が他種。

飼料を含む育成環境は
A. ベジョータ   :屠畜前6ヶ月をドングリが豊富なデエッサと呼ばれる二次的自然環境で放牧飼育。
B. セボ・デ・カンポ: ドングリの有無に関わらず、自然の穀物、牧草や配合飼料も与えつつデエッサで放牧飼育。
C. セボ       :配合飼料を与え養豚場で飼育。

前出の画像1ギネス認定ハムの脛には黒タグがついています。


タグに記載されている内容です。

黒クラス、赤クラス、緑クラス、白クラスのラベル・銘柄帯には純血度(100%。75%、50%)の表示も求められます。赤クラス以外の緑や白クラスの配合飼料を使って飼育された豚のハムでも100%イベリコ種を使用することもあるので、黒クラスだけが100%イベリコ・ハムとは限らないようですね。


イベリコ・ハム イベリコ・パレータ 共通ラベル・銘柄帯の例。

 ついでながら日本ではこのギネス認定生ハムの一つの特徴としてドングリ飼育に関してレアル・ベジョータReal Bellota という最上級ランクであるとの記述がありますが前述のスペイン勅令R.D.4/2014では最上級の黒クラス(デ・ベジョータ100%イベリコ)の中に更にランクの上下を分ける基準は無く、勿論その上のランクも存在しません。そもそもスペインの規格にはレアル・ベジョータという呼称自体が存在しません。Ⓡのついたこのカテゴリーは多分生産者との合意の上で、bellota(ドングリ)に real (本物の~、王室の~)と言う形容詞をつけて日本で商標登録されたブランド名であって、スペインの法律で規定された格付けとは違うものと思われます。


またまたついでながら、昔からスペインでは特選生ハムを”pata negra”パタ・ネグラ(黒脚・蹄)と呼んでいました。イベリコ種には黒豚が多くそのハムが特に美味しいという事に由来しているのでしょう。このパタ・ネグラという言葉はスペイン人にとって直接高級ハムというイメージにつながるので、改正された基準では黒クラスのデ・ベジョータ100%イベリコ製品のみパタ・ネグラという名称の使用が許可されています。

以前の記事にも書きましたが、イベリコ種の豚がすべて黒豚で蹄も黒いとは限りません。茶色で斑(まだら)模様の入ったイベリコ種豚Mmanchado de Jabugoもいれば、赤毛のイベリコ種豚Rubio Andaluz/Dorado Gaditanoも存在します。


斑模様のイベリコ豚Manchado de Jabugo(マンチャード・デ・ハブーゴ)種


赤毛のイベリコ豚Rubio Andaluz/Dorado Gaditano(ルビオ・アンダルス/ドラード・ガディターノ)種

画像はMAPA・スペイン農業、漁業、食料省のHPからお借りしました。

今回は半分手前みそ的な自慢話ですよね。一本140万円というお値段の話題から、はしたなくも細かな価格の話にまでなってしまいました。お篭り生活者の妄想として御笑覧下さい。

特派員

  • 山田 進
  • 年齢寅( とら )
  • 性別男性
  • 職業スペイン語・日本語通訳

スペイン政府より滞在許可と労働許可を頂き、納税・社会保険料納付をはじめて早37年。そろそろシルバー人材センターへの登録も視野に入った今日この頃、長い間お世話になったこの国のことを皆様にご紹介できることを楽しみにしています。

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