• 2018.05.17
  • デザインフェア
キリスト教国のイタリア。日曜日は休息の日と宗教上で決められています。それは実際に住んでいて週末と平日の差が歴然としていて週末は独特な静けさを都会にもたらすことで感じます。

けれども1年のうちの何回かは、休息の週末は返上され騒動の週末がミラノにやってきます。その内の一回が、毎年行われる6日間のSalone del mobile家具フェア。このフェア名を直訳して家具フェア言ってしまうと、テーブルや椅子が連想されますが、デザインフェアと訳した方がピッタリな催しです。それこそ雑貨フェアとさえ言ってもいいかもしれません。

このデザインフェアは、面積が30万平米以上の世界1位2位を争う大規模な展示会場で行われます。1日では回りきれないこの巨大会場の大きさに私は圧倒されてしまって、最近はフェアに足が向かなくなってしまいました。自宅でニュースと新聞を通してフェアの様子を伺います。


特にこのデザインフェアに関しては、ミラノで開催されるフェアの中で一番大きなフェアとなっていて開催場所が巨大展示会場だけでは済まされず、Fuorisaloneと名付けられて街なかのブティック、イベント会場、ギャラリーなどありとあらゆる空間が、デザインフェアの一環としてミラノの街全体をフェア化してしまう、という度肝を抜く大胆な企画となっています。普段は躊躇して入れないでいる一般住宅の中庭の素晴らしさを満喫できる良い機会でもあります。


ミラノは、小さい街です。東京23区の3分の1程度だとか。そこに世界最大級の大きさを誇るこのデザインフェアが開催されるので、まず車の渋滞が普段よりも多くなることに気がつきます。それから、ホテルの確保合戦は事前から激しいに違いありません。苦笑するのが、星なしの廃れたホテルは勿論、ラブホテルも立派な宿泊施設として利用され、町中の全てのホテルはフェア関係者で埋め尽くされると聞いています。空室が見つからず藁にもすがる思いで、もうこうなったらホテルでなくてもいいからベッド一台の寝る場所だけでも確保できれば十分、となりふり構わずの血眼状態になるとさえ聞いたことがあります。ショートホームステイ、民泊などがフルに活用される時期でもあり、実際に私の同僚は、このデザインフェアの時期に自宅を民泊に変えると大儲けできると言っていて、今年も家族全員で両親の家に転がり込んで自宅を貸し出したそうです。

こんなにも大々的なイベントなのでトラブルも多くて、2重駐車が後を絶たず救急車などが通れずに立ち往生してしまうとか、夜中の3時まで大騒ぎが続くので休めない住人の苦情も年々増えているとか、公認されていないストリートフードのフードトラッカー達が衛生面の問題を無視しつつ販売するとか、改善点は沢山です。

解決法?

Fuorisaloneに関するアクティヴィティーが集中している地区に住んでいる住人はデザインフェア期間中は仕事や学校を休んでもよい許可が下りて、その代わりにFuorisaloneに関連する催しに参加して、地区民みんなで協力し合ってその地区を活気づけるサービスをするなんて、例えばどうでしょう、、、?!

来年こそは、重い腰を上げてデザインフェアを鑑賞し、自分で新発見の探索をしようと思いながら、新聞のページをめくっているところです。

特派員

  • 三上 由里子
  • 年齢戌(いぬ)
  • 性別女性
  • 職業音楽家

チェリスト。ミラノを本拠地に、ソロコンサートアンサンブルの編成で演奏活動の傍ら、演劇、画像、舞踊やライブ演奏を組み合わせたマルチスタイルの舞台プロデュース。

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