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  • 2021.06.04
  • チップ
読み終わった本などをボランティアが集めて、誰でも自由に読めるようにしたりするシェアシステムはどこの市町村でも多々見かける事でしょう。近年、自転車のレンタル制度バイクシェアや、キックボードや車のシェアなど、乗り物のシェアシステムが流行っていますが、発足した当初イタリア人には乗り物のシェアシステムは向いていないのではないか、と私は危ぶんでいたのです。ところがどっこい、体制が整ってなくても新しい企画を出発させてしまうことができるこの国の強みもあるからなのでしょうか。このシェアシステムはあっという間に浸透したのでした。加えて、 行き先の方向が同じ人を乗車させてあげる分乗シェアシステムまで発足し、特に急がない長距離ドライブの時に、同僚は分乗シェアシステムを利用して費用を浮かせているようです。スリラー映画の影響でしょうか、私は見知らぬ人を車に乗せる事に抵抗があるのでこのシェアシステムは利用できないと思いますが、、、

ところで、もともとイタリアには意外なものがシェアされていた歴史があるのです。ナポリの発祥のカフェ ソスペーゾ(保留されたコーヒー)と呼ばれるエスプレッソ コーヒーのシェア。エスプレッソをバール(カフェテリア)に飲みに来た人が、コーヒー1杯分でさえ払うことが出来ないほど金銭的に苦労している誰かが無料でエスプレッソが飲めるようにと2杯分の金額を払っておいてあげる習慣が戦後に発達したのです。特定の人に贈る贈り物もいいものですが、 贈り物をする人と受け取る人が見知らぬ関係で、しかもその場に一緒に居合わせることも無く見知らぬままで始まって見知らぬままで終わる。そんな詩的なシェアが生まれたナポリのエスプレッソは格別に美味しいことがイタリア人の間でも評判です。


そんなシェア感覚が発達したイタリアだからなのでしょうか、最近私が携わっているプロジェクトの1つで、コンサートにおいてお客さんがチップを弾んでくれたり多めに払ってくれたときは「カフェ ソスペーゾ コンサート版に使います。ありがとう」と言ってライブ パフォーマンスを聴きたくても金銭的に無理な家族のために使うシステムに貯金をする事にしました。

素敵なことではありませんか?

ところでイタリアに来てチップといえば、どれくらい渡したら良いかわからなくて困る日本人も多いのでは無いでしょうか。 タクシーに乗ったら乗車料金の何パーセントとか、レストランでも勘定の何パーセントをチップとして渡したら良いでしょうなどと遥か昔の旅行案内書などには書いてあったように思います。それで算数が苦手な私は、適切なチップの値を割り出そうと頭の中の計算に苦しんだ記憶が、、、
住んでみてわかったのは、現実にはそんなにチップにこだわる必要はないということです。しかも最近のイタリアではチップの習慣が薄れてきています。

色々な事柄に融通をきかせるのがイタリアンスタイルで、そのためには押し問答風なやり取りが重要な役割を果たしていて、そして最終的にチップが登場するのです。日常的事柄においては融通をきかせてくれたお礼に「これでコーヒーでも飲んでくださいね」とか「これでビールをいっぱいどうぞ」とか「ジェラートでも」という感覚でチップを渡すのです。

チップの参考になります、、、? 

特派員

  • 三上 由里子
  • 年齢戌(いぬ)
  • 性別女性
  • 職業音楽家

チェリスト。ミラノを本拠地にソロとアンサンブルの演奏活動中。クラシックからポップスまで幅広いジャンルのレパートリーを持ち、イタリアの人気コメディアンの番組にバンド出演中。

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