• 2023.02.20
  • 制服
日本の学校生活をした人なら、必ず制服を着た経験があるでしょう。制服がもたらす統一スタイルに反感もあり個性を出したいばかりに、スカートの丈を少々短くしてみたり、白ブラウスの袖のボタンを変えてしまったりと密かな改造を試みたものです。


日本は、制服文化がとても発達しています。学校においてだけでなく、社会人になっても職種別に制服着用の環境がとても多いと思います。

一方、制服文化が無いイタリア。ミラノの街角で制服を着ている学生には出会ったことがありません。ランドセルなんて勿論存在しなくてリュックを背負うのですが、教科書含め私有物は全て自宅に持ち帰る規則になっていることから、そうこうしている内に背負うにしては重すぎる量に達してしまったらしく、最近はキャリー付きのリュックが主流です。それも各自が好きな色、形を選ぶことが出来て、流行りのアニメキャラクター入りなど色々選択肢があってキャリーのデザインは豊富です。ただし、キャリーになったにもかかわらず、教材は増えていく一方なのでしょうか、結局送り迎えをする両親がキャリーを運んでいる光景をよく見かけます。

ところで意外な人がミラノでランドセルを背負っていましたよ。黒のランドセルを肩にかけた20代、30代のイタリア人女性とスーパーのレジで一緒になりました。


「え!ランドセル!」と思わず叫んだら、その女性は嬉しそうにこちらを振り返りました。日本文化にどれくらいのめり込んでいるかは聞き出しませんでしたが、ランドセルは機能的で使いやすいし、しかも丈夫だし、形も可愛いから使っているとのこと。ただし、子供用に出来ていることから肩ベルトは大人の彼女には短かすぎて背負うことは無理で、片側の肩にかけるだけ。赤色が女の子用で、黒色が男の子用ぐらいは、きっと知っているのでしょうが、黒色のランドセルを使いこなしている彼女は、おしゃれで眩しかったです。


イタリアでのTPOに合わせた服装に関して一番最初に驚いたのは、お葬式に参列する参列者の服装。一般的には、喪服を着用する必要も無いどころか、日常生活で着ている普段着そのままで葬儀に参列するケースが殆どです。それは、家族を亡くされた遺族についても同じ。

日本では、お葬式とはこんなにもややこしくて面倒臭いものかと思った記憶があり、それプラスお葬式が始まったら始まったで今度は、正座で痺れる足に苦痛を覚え、嫌悪感でいっぱいでした。それに比べ、イタリアでのカトリック式の葬儀は、毎日曜日に教会で行われるミサとほぼ変わらない進行をし、約1時間後には儀式が終わり、参列者は教会の外に出て遺族に言葉をかけたり抱き合ったりしながら、霊柩車の出発を見送ります。本当にシンプル。


イタリアでは銀行員も郵便局員も制服を着たりはせず、各自自由に気ままな格好で窓口で応対していて、時々そのだらしなさがいいのか悪いのか図りかねる場合があります。一方、パーティーなど夜会に関するドレスコードは、事前にきちんと知らせてくる場合が多いです。

国民性が出てます?

特派員

  • 三上 由里子
  • 職業音楽家

チェリスト。ミラノを本拠地にソロとアンサンブルの演奏活動中。クラシックからポップスまで幅広いジャンルのレパートリーを持ち、イタリアの人気コメディアンの番組にバンド出演中。

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