隔離生活が続く毎日、私たちはどんな過ごし方をすればいいでしょうか。
隔離で自宅にこもっていると、心細かったり退屈だったりする時もありますよね。この困難を乗り切るため、オーストラリア政府では、可能な範囲で日常生活のルーティンを行うようにするのに加え、新型コロナウィルス(COVID-19)を理解して不安を解消できるよう家族と感染症について話し合ってほしいと言っています。
政府はまた、このしんどい状況を乗り越えられるという自信を取り戻すために、大変な出来事を克服した過去の経験を思い出すのもひとつの方法だと言っています。隔離生活はいつか終わると自分に言い聞かせ、電話やビデオ、SNSを通じて家族や友人とつながり続けることが大切です。
政府が推奨するのは、エクササイズ・トレーニング用のアプリをダウンロードするなどして定期的に運動を行うこと。ダンスやヨガ、家のまわりをウォーキング、家庭用のエクササイズ器具を使った運動などもよいとのこと。こうした運動は、ストレス障害や抑うつ状態を緩和する効果が認められているからでしょう。特にひとりで家にこもっている人は以前よりも大量の食事をつくっては食べることになりがちなので、体調をキープするためにも良いことだと思います。
自宅隔離が長くなると、退屈やストレス、家族とのいさかいなどの悩みが出てきます。そこで、この隔離生活を、普段なら時間がなくてなかなか実行できないことをするチャンスととらえる発想が提唱されています。たとえばボードゲームでもいいし、手芸や工作、絵画、読書、知らない分野の学習などもいいですね。今ならオンラインで修了証を発行している講座もたくさんあるし、その多くは現在、登録料を無料あるいは減額するなどして、割安で受講できるようになっています。
ニュース漬けになるのを防ぐのはもちろん、怠惰で無気力な状態を招かないように、TVやIT機器の使用は一定時間にとどめるようにとも言われています。
とはいえテクノロジーは使い方次第。何かを学んだりドキュメンタリーを視聴したり、オンライン美術館を閲覧するほか、良質な映画やテレビシリーズ番組を楽しんでリラックスして心を休める時間も必要です。
配信中の映画を宣伝するトレイラー映像も目に入ってきますが、見ているうちにロックダウン状態がとんでもなく長引くような気になったりもするので、面白い反面、恐ろしいものでもあるなと思います。
今はレストランにも行けないし友達にも会えない私たちですが、前よりも料理をするようになったということで、みんなが退屈さを解消しながらかつてお店で味わったおいしい料理を食べられるように、オーストラリアの有名なシェフたちがオンラインの料理教室を開講しています。
南オーストラリア州出身のシェフ、マギー・ビアーもそのひとり。彼女はバロッサ・バレー(オーストラリア屈指のワイン産地)の自宅からオンラインの料理教室を配信中です。
オーストラリア人や世界中の人々がロックダウン中も楽しく過ごせるよう、この名シェフが自らレシピや調理のコツを伝授してくれています。
それでは、私自身の日々のルーティンをご紹介しましょう。
いつも非常に健康的とは言えませんがリッチな朝食を済ませたら、自宅でリモートワークを始める前に瞑想するか、家のそばの林で少しジョギングをします。空き時間にはネット配信かスマートTVで映画を視聴したり、時々は本を読んだり、テーブルゲームに興じたり。いちばん好きなテーブルゲームはトラベルクイズカード(今出かけられる唯一の旅行です)とポータブルエスケープルームです。
ポータブルエスケープルームは、エスケープルームのような、自分が閉じ込められた部屋を謎解きしながら脱出するもの。カードやオンラインのアプリを使って謎解きをしないと部屋から出られないこのゲームは、2人以上で遊ぶのが面白いのですが、1人でプレイすることもできます(難易度は高くなりますが)。
オーストラリアでは今これがめちゃめちゃ人気で、とにかくハマらずにいられない面白さ。
なんといってもこのゲームの部屋は、今すぐに飛び出していけますからね!
- 2020.05.28
- 4月のオーストラリア、退屈と闘う日々