• 2021.01.26
  • シドニーで過ごす大みそか
この年末はシドニー・ハーバー界隈のパーティも無し、恒例のハーバー・ブリッジの盛大な花火大会も中止されて代わりに深夜に超短縮版で花火が打ち上げられたものの、それすらABC(オーストラリア放送協会)チャンネルの生中継かシドニー・ハーバーの公式ウェブカメラのライブ映像でしか見られないという状況でした。そんなわけで私は、シドニー郊外の内輪のパーティに友人と出かけることにしたのですが、ソーシャルディスタンスを確保しながら生の音楽を楽しめて、「平常」の生活がどんなだったか、感覚を少し取り戻すことができました。
シドニーの花火大会は本来の12分から7分にまで縮められたうえ、実際に花火を拝むことができたのは周辺地区の住民とその友人か親族(世帯あたり最大10名)、あとは特別入場パスを予約した人(彼らがどんな方法で、いくら払ってゲットしたかは知る由もありません)だけでした。当日は花火を見物する人が集まらないよう橋の上は立ち入り禁止になり、地元の警官が出動するほどでした。

それはさておき、友人と一緒に北へと車を飛ばして行ったディナー付きの着席ライブコンサートが、とにかく最高だったという話の続きをしましょう。
音楽はラテンとジャズのミックス。実に久し振りに「平常の時間」を過ごせたせいか、あるいはそのバンド(特にサックス奏者)があまりにもアツくて最高だったからなのか、とにかく心から楽しい夜でした!
ジャズのことはよく分かっていない私ですが、だからこそこんなにも惹きつけられるのかもしれません。私を魅了してやまないのは、この音楽が、20世紀初頭にニューオーリンズの奴隷として働いていたアフリカ系アメリカ人の文化という、私たちの文化とはかけ離れたところから生まれたジャンルであること。そして、優れた演奏テクニックを基調としながら、完全なインプロビゼーション、すなわちアドリブによる音楽だということです。特有のリズムと高度な技術、漂う物哀しさが融合したジャズを聴いていると、自分も音楽の一部になったような感覚に陥るのです。
私たちがこのジャズクラブのチケットを取ることにした理由は、リゾート施設付きのそのクラブがソーシャルディスタンスのルールを重視していたからです。着席で飲食もできて素晴らしい演奏に酔いしれて、楽しい夜が過ごせるかも、と踏んだわけですが、果たしてその期待が裏切られることはありませんでした。
その日の午後に会場入りしてからは動画ばかり撮っていたため、私たちが撮った写真は残念ながら1枚しかありません。天気に恵まれた暑い日、素敵なプール付きのリゾートクラブ。それはもうこの上なく素晴らしいところでしたよ。
ネットで行き当たりばったりにチケットを探したのは、クリスマス期間中に自宅近辺で実施されていたロックダウンの恐怖から、何としても遠ざかる必要があったからです。
このクラブで演奏しているのは世界各地から集まったミュージシャンたちだそうで、今やジャズに限らずあらゆる音楽ファンの評価が集まるスポットとなっています。
いつもなら水曜日か日曜日の夜に、彼らのジャズのジャムセッションが聴けます。が、今回のライブはニューイヤーズイブ向けの特別バージョンということで、ラテンの陽気なナンバーも披露してお客さんを沸かせていました。
レストランではグラスシャンパンやトレイに並べたオードブル付きのディナーが出てきましたが、食べ物に触れたり自分で取り分けたりするのは衛生上ご法度なので、ビュッフェ形式は無し。
マンゴーソースの小エビのサラダに冷製の前菜がどっさり用意された食事は、いわゆる正統派のオーストラリア料理(こちらは今、夏だというのをお忘れなく)。ほかにはアジア風の麺類や汁物もありました。ディナーの締めには数種のデザートとドライフルーツが全員に振る舞われ、コーヒーやミッドナイトシャンパンとともに楽しみました。いや本当に最高の夜でした!
会話に花を咲かせていたお客さんが、時には思わず集中して演奏に聴き入る場面も。みんながリラックスして楽しめる雰囲気を作ろうと、ジャズバンドの面々はその夜のステージを盛り上げてくれました。

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特派員

  • アルベルト フェランド
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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