• 2021.12.13
  • 移民の国、オーストラリア
国として大いに魅力的なオーストラリアは、人口が増加し続けていて、この国の発展には移民政策が多大な影響を与えています。
以前から移民の受け入れに間口を広げてきたオーストラリアでは、多くの移住者が永住権と、それに伴う市民権を手にしてきました。
渡航者を前向きに受け入れる方針とビザの取りやすさにより、多くのイタリア人にとっても数十年前からアメリカを凌ぐ「夢の国」となっている、それがオートラリアなのです。
コロナ禍以前の過去20年ほどは、まずはこの国を知ることを目的とする「観光ビザ」か、あるいは旅行と仕事と勉強が同時にできる「ワーキングホリデービザ」を手にすることが、多くの移民者たちにとってチャレンジの第一歩となっていました。
しかし、オーストラリアに移り住んで永住するのは、必ずしも簡単なことではありません。移民に関してはオーストラリアの法律はかなり厳しく、申請手続きにてこずる人も少なくないのです。

現在、オーストラリアで暮らす民族集団で4番目に多いのがイタリア系。学校で最もよく教えられている外国語としても、イタリア語は日本語に次いで2番目となっています。
オーストラリアとイタリアの言語、すなわち英語とイタリア語の両方を話す人々の多くはイタリアからの移民かその2世。彼らの場合、ほとんどの親がイタリア語と1種類以上の方言(あるいはそのどちらか)を基本にさらに英語からの外来語を混ぜて話すので、言語学的に多様なイタリア語を親から譲り受けて話している人が多いです。
特に近年、いわゆるイタリアの様式や「メイド・イン・イタリア」製品の向上にオーストラリア系イタリア人が重要な役割を果たしているわけですが、オーストラリアのパワーを支えるためにイタリア人が行ってきた貢献は、イタリアからオーストラリアに移り住み、この地で農業に従事した第一世代の歴史を抜きに語ることはできません。
このことを調べていて、当時のイタリア人が「wog」などと呼ばれていた経緯を知り、さすがに愉快とは言えない気持ちになったりもしました。
「wog」というのは、イタリア人やギリシア人、および南欧系の皮膚の色が浅黒い移民に対して付けられたあだ名です。
第2次世界大戦以降、イタリア人の労働力がオーストラリアの発展に大いに寄与してから、このような呼び方はされなくなりました。
遺憾ながら、最近は「単純化」へと舵を切っているオーストラリアで、移民に関する法律の締め付けも同時に厳格化されています。この傾向は、コロナ禍だけの影響によるものではありません。
首都キャンベラにある政府の決定で、オーストラリア移住希望者に発行するビザの種類は極端に減らされる一方、個人や企業としてのメリットだけでなく社会と文化、言語の面での完全な適応が申請者に要求されるため、市民権の認可を取得するまでに要する日数が長くかつ手続きも複雑になっています。
そのほか、ここ最近では、「学生ビザ」と「一時就労ビザ」に変更があったり、契約を交わした雇用主がいなくてもオーストラリアで就労と永住が許可される「技術独立永住ビザ」や特定の職業分野に従事する人に与えられる「技術指名永住ビザ」が申請可能な職種を減らしたり、市民権獲得に関する法律も改正されたりしています。
オーストラリア首相は数年前、ビザが下りてから2年でオーストラリアの市民権が得られるという、外国人の大部分がお世話になった「一時就労ビザ」を廃止し、代わりに「雇用主指名暫定ビジネスビザ」を導入しました。
市民権の条件として変わった主な点は、要するに「いつ取得できるか」ということで、永住権の獲得から4年間(これまでは1年間)居住することが条件となりました。それに加えて英語のテストを受けること、オーストラリアの歴史や価値観、国の理念に関する質問を受けることも必要です。
このような規制改革があっても、オーストラリアの国としてのアイデンティティは揺らぎません。移民大国としての誇りを今も失っていないことに変わりはなく、世界でも有数の多文化国家であり、人口の半数以上を他国出身者が占めています。何よりも、この国全体が、価値観と法律を尊重しながら社会の発展に貢献してくれる移民を、これからも声高らかに歓迎しようとしています。

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  • アルベルト フェランド
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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