列車と地下鉄は、シドニー周辺の移動手段としては最も便利でスピーディな方法です。ほとんどの路線は地上を走っていますが、シドニー中心業務地区(CBD、Central Business District)を走るシティー・サークル線(City Circle)は例外です。地下鉄と呼ぶべきか、電車と呼ぶべきかは判断に迷うところですが、いずれにせよ、この路線は市内の主要エリアを繋いでいます。但し、ノーザン・ビーチ(Northern Beach)などの人気エリアの中には全く列車が通っていない場所もあります。列車は通常、早朝4時から深夜12時ごろまで運行していて、運賃は距離と時間によって変わり、ラッシュアワーにはチケット代も高くなります。週末には線路工事の関係で電車が運休になり、バスの代替輸送となる場合もあるので注意しましょう。
市内の鉄道網は、都市と都市を結ぶインターアーバン(都市間電気鉄道)のネットワークに接続しているので、別の駅に向かったり乗り換えたりすることなく、市内を走る電車に乗ったままブルー・マウンテンズ(Blue Mountains)やウーロンゴン(Wollongong)のようなシドニーから離れた場所まで向かうことが可能です。
シドニーおよびニューサウスウェールズ州最大の公共交通網といえば、間違いなくバスでしょう。最も運賃の安い移動手段ですが、渋滞や道路工事による遅延も一番多くなりがちです。市内のほぼあらゆる地点を結んでたくさんの路線が運行しているので、目的地に着くバスのルートを探すのも難しいことではなく、場合によっては複数のルートが見つかることだってあります。運賃も距離に応じて変わり、中には「ナイトライド(Night Ride)」と呼ばれる夜行バスが運行するルートもあります。
停留所からバスに乗る時は、腕を上げてドライバーに知らせなければならず、降りる時は降車用のボタンを押して合図をしないと、バスは止まってくれません。
「オパールカード(Opal Card)」と呼ばれるシドニー地域で利用できる交通ICカードを持っていない人は、車内で切符を購入することも大抵可能ですが、ピーク時の急行バスでは購入できない場合があるので注意しましょう。
オパールカードは車内ではチャージできないので、カードの残額が不足している人は降車させられることもあります。バスが満員の場合にはドライバーが新たに客を乗せなかったり、誰か降りる人がいない限りバス停に停車しなかったりすることもしばしばあります。
常に前のドアから乗車し、真ん中か後ろのドアから降車しましょう。
ライトレール(Light Rail、路面電車)は現在、路線を拡大しています。フィッシュマーケットやチャイナタウン、ダーリング・ハーバー(Darling Harbour)など、他の方法では行きにくいシドニーの名所に行くには、眺めも良いライトレールを利用するのが最良だと思います。
シドニーは水の上の都市ですから、水上交通も欠かせません。
サーキュラー・キー(Circular Quay)からノースショア(North Shore)、ダーリングハーバー、イースタンサバーブ(Eastern Suburbs)の間を運航するフェリーは、旅行者からも地元の人からも愛されています。
いわゆる昔ながらのフェリーの他にも、様々な民間企業が運行している水上タクシーを利用することもできます。
タクシーは通りからでも呼べるし、市内のあちこちにタクシー乗り場(大抵は駅のそばにあります)もあるし、時間を指定して予約することも可能です。どのタクシーもメーター制で、電話予約、空港発着および夜間や祝日の利用には追加料金が発生します。
ここ最近、世界中で配車アプリのウーバーの人気が非常に高いですが、シドニーも例外ではありません。現在シドニーではタクシーの数をしのぐウーバーが走っているので、昼夜を問わずいつでも、市内のどこからでも簡単に車を手配することができますよ。