その主役をつとめるのは、日本や米国では「イースターエッグ」「イースターバニー」の名で知られている復活祭の卵やウサギ達です。これら可愛らしいシンボルは、宗教を抜きにしても民間の習慣に浸透しており、世代を超えて愛され続けています。実際に、様々な飾り付けやイラストを見ているだけで幸せな気持ちになってきます。街中に多くあるシックなお菓子屋さんやカフェのショーウインドウも競って美しい飾り付けを施します。お菓子屋さんだけあって美しいだけでなく美味しい事もとっても大切。
卵やウサギの形をした包装の中身はチョコレート!!その中は空洞になっていて、お楽しみのプレゼントが隠されているしくみです。このチョコは、お菓子屋さんだけでなく大小のスーパーも特設コーナーを設けるほどの人気ぶり。子供たちは、祭日の何日も前からこのチョコを買ってもらい、中に何が入っているかを想像しながら、開ける瞬間を楽しみに待ちます。
初めての復活祭、私の思い出の一つは、クラスメートから小ぶりの卵型チョコをプレゼントされたことでした。「イタリアでは復活祭の前に大切な人同士で卵を交換するのよ。」と手渡された小さな卵に彼女の留学生を思いやる気持ちを見て感動したものでした。欧米特有の贈り物の習慣をイタリアに来てから幾つか知りました。この甘い卵の中には、春の日差しを待つようなフワフワとした期待感がたくさん詰まっているようでした。