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  • 2015.08.28
  • イタリア夏の夜の楽しみ 星空の下の映画館
6月と7月は、夏の日照時間が長く、日没後ようやく空が暗くなり始めて夜が訪れるのは21時をまわった頃からです。19時を越えたあたりから、日中の強烈な暑さは少しずつ和らぎ、人々は仕事場や家から街に繰り出します。この時間帯から真夜中までが夏の社交時間。友人とおしゃべりしながら街路を歩いたり、アイスクリームを食べたり、野外コンサートや映画鑑賞に参加したり、心地良い夜の空気を満喫します。

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夏の夜 フィレンツェの橋 ポンテヴェッキォのイベントライトアップ

特にイタリアらしいと感じるのは、6月から9月まで各地の小さな街でも開催される、夜間営業の野外映画館です。

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映画 ニューシネマパラダイスからの1シーン 海辺の野外映画館

現代の名監督ジュゼッペ・トルナトーレの映画「ニューシネマパラダイス」は、映画が最大の娯楽だった頃の映画館の様子と、イタリア人の映画への情熱を、優しく詩情溢れる映像で描き、砂浜に特設されたこの野外映画館のシーンも当時の雰囲気を伝えます。
イタリアでは、友人や知り合いにお勧めの映画や監督を尋ねると、参考になるアドバイスを必ずもらえます。彼らが名場面や台詞を語るその口調は、皆、興奮を交えています。まるでその場に居合わせていたかのような人や、時代背景や方言・風習等のバックグラウンドを語り合う人など、はたで聞いているだけでもメモを取りたくなるほど、みな映画に関して博学です。

3250席の野外映画館、開演前。この日は日本が世界に誇る小津安二郎監督の作品上映がされていました(5ユーロ)

このように弁論好きなお国柄と、夏の美しい夜を最大限に謳歌しようという国民性により、映画はインドア文化にとどまらず、夏はオープンエアーで開放的に楽しむ娯楽になります。
フィレンツェ市内でも、夏場の野外映画館が5つ以上、無料開放の映画祭やイベントが幾つもあり、夏中楽しめます。通常の映画館と同様に、席数は250席や500席と、野外でも場所が固定の映画館はかなりの観客数を収容できます。
固定以外は、イベント性が強いため、時間や場所、プログラムなどについてそれなりの下調べが必要ですが、歴史的な広場や公園、貴族がレモンを栽培していた大温室等など、そのロケーションは素晴らしく、ロマンチックな時を過ごせます。

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フィレンツェ サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会前広場の映画イベント(無料)


演目は前年やその年のヒット作、話題作等を、夏の間に日替わりでリバイバル上映するので、見逃した作品をまとめてみる機会にもなります。過去の銀幕の名画特集や、アジアや中近東など外国映画にテーマを絞る、小さな会場もあります。

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ボローニャの広場に据えられた世界最大級スクリーン。(無料)


近年、野外映画が夏の目玉文化イベントとして企画されるケースが増え、規模の大小は問わず、無料の上映会も開かれています。「星空の下の映画館 Cinema sotto le stelle」というプロモーションが後押しして、映画を見に行く楽しさを、よりウキウキしたものにしてくれます。実際、銀色の月が、木々や古い町並みの間で見え隠れしながら、上映中のスクリーン上空をゆっくりと移動していくさまは、映画のストーリーに何か不思議な情感を与えます。星空の下、国や時代を超えて、観客が一緒に笑ったり息を詰めたり、映画の感動を共有した後は、24時を過ぎて家路へ。次の日、その映画談義に話がはずむ、これぞイタリア日常生活の一コマと言えます。


特派員

  • 木田 美秀
  • 年齢丑( うし )
  • 性別女性
  • 職業西洋絵画修復家

京都精華大学日本画科卒業。2008年よりルネサンスの都フィレンツェにて起業、イタリア古典絵画修復を専門として活動し、現在に至ります。休日の癒しは、市場での美味しい食材探し、近隣の町めぐり、所属の聖歌隊で歌うことです。

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