まずは、マニラの良かった点からご紹介しましょう。私が滞在したホテルには、青々としたマンゴーの木に囲まれた豪華な屋外プールがあり、まるで南国の絵葉書のような雰囲気でした。辺りには甘い香りが漂い、太陽の光がさんさんと降り注いでいます。ホテルのスタッフも、気候と同じく温かい人ばかりでした。新鮮なマンゴーを片手にスマホを機内モードにしたら、まるでしばらくの間、現実世界から抜け出したような気分になりました。時にはこうした時間が必要ですね。
そして、日頃のストレスを買い物で発散したい人にとっては、マニラはまさに天国のような場所です。巨大ショッピングモールからブティックまで、どこも価格は驚くほどリーズナブルです。欧米の物価に慣れている人なら、なおさらお得に感じるでしょう。かくいう私も、クレジットカードの残高をひやひやしながらチェックすることなく、気が付けばバッグがいっぱいになるまで地元のお菓子やお土産、さらにはリゾートウェアまで購入していました。この点だけでも、訪れる価値があります。
ホテルのレストランのビュッフェは、この旅のハイライトのひとつでした。普段はビュッフェを避けている私が言うのですから、間違いありません。ここでの食事は次元が違いました。魚貝のグリルにアジア風の炒め物、名前の読み方はわからなかったものの、口にしたフィリピンのデザートの数々…どの料理も新鮮で色彩豊か、美しく盛り付けられていました。私は3回ほどおかわりをしに行ったと思います。大満足でした。
ここからは、少し辛口な意見を述べたいと思います。まず、マニラはどこも混雑していて、とにかく人であふれています。街中の人々が皆、同じ通りに押しかけているかのように感じることもありました。湿気もひどく、まるで重ね着をしているような感覚で体にまとわりつき、不快でした。
ですが、最も印象に残ったのは、武装した警備員の重々しい姿でした。ショッピングモールやホテル、さらには一部のカフェまで、ほぼ全ての建物の入口に金属探知機が備え付けられ、ライフルを持った警備員が立っていました。活気にあふれ、歓迎ムードが漂うマニラですが、その一方で厳重な安全対策が敷かれていることを強く感じました。恐怖を感じるほどではありませんが、初めて目にしたときはびっくりします。
マニラは、気温も人も温かい街です。ここでは、プールサイドでマンゴーの木の下でくつろいだり、すばらしい食べ物に舌鼓を打ったり、お得にショッピングを楽しんだりと、さまざまな魅力があります。ただし、常に用心が必要で、厳重なセキュリティ対策と都市の混沌が何層にも折り重なっている場所でもあります。
またマニラを訪れたいかと聞かれたら、答えはもちろんイエスです。マンゴーにビュッフェ、プールサイドで過ごす穏やかな時間と、また行かない理由はありません。ただし、次回はハンディファンを持参して、混雑に対してもう少し寛容でいようと思います。



