ライミング・スラング(韻を踏んだスラング)を使って話すコックニー英語の発祥の地はロンドンのイーストエンドです。
このスラング(Slang)という言葉自体、隠語(Secret Language)を短縮したものとして生み出されました。
「郷に入っては郷に従え」ということわざのとおり、ロンドンに来たらぜひこのロンドナーの話し方をまねてみてください。ロンドナー、それも生粋のロンドナーとなるとそうたくさんはいませんが、少なくとも彼らはコックニー英語を使っています。
数世紀前から数十年前まで、コックニー英語は労働者階級の俗語として、貧困層や社会から締め出された人、嫌われ者の使う言葉とみなされていましたが、現在ではジェット機に乗って海外を豪遊するようなスターや、市内の若者の間でも流行り言葉として再び使われるようになってきています。
ロンドンのモダンな景色
実は当初、「コックニー」という単語は市内の一般大衆(ブルーカラー労働者、農業従事者、建設業者)に対する蔑称として用いられていました。
その後、彼らの独特のアクセントを指す単語となり、さらにその後、現在のような方言名を意味するものになりました。
しかし、コックニーまたは「コックス・エッグ(雄鳥の卵)」という単語が生まれたのは14世紀と考えられています。
伝承によると、セント・メアリ・ル・ボウ教会(17世紀のロンドン大火後に再建された多くの教会のひとつ)の鐘の音が聞こえる地域で生まれた人だけが生粋のロンドナーまたはコックニーということになっています。
まずお伝えしておきますが、コックニー英語を話すのは簡単なことではありませんので覚悟しておいてください。
最初のステップとしては「t」と発音するのをやめて、代わりに喉音を使うようにするとよいでしょう。
次に、「h」が単語の1文字目にあるときはこれを無視して発音しないようにします。これは必須のルールです。
さらにもうひとつ重要なのは、「l」が単語の最後にあるときは「u」に置き換えることで、「th」は「v」のように聞こえます。
それではここで、大切なマイ「フレンド(China plate)」のために、コックニー英語をちょっぴり習得できる便利な単語とイディオムのリストを掲載します!
アダムとイブ(Adam & Eve)
コックニー英語では信じる(believe)という意味で用いられる。
ボートレース(Boat race)
コックニー英語では顔(face)という意味で用いられる。
ハチミツ付きパン(Bread & honey)
お金(money)という意味。
コックニー英語の単語が面白い韻を踏んで作られていることは簡単に想像がつきます。
この言語は暗号のようなもので、イギリスの首都に住む裕福でない階級の人たちが、警察の前で言葉の意味を知られずに会話をするために生み出した、興味深いコミュニケーション手法に基づいています。
これ以外にも、「中国皿(China plate)」はメイト(mate)または友達(friend)、「消防士のホース(fireman’s hose)」は鼻(nose)、「ゾウのトランク(elephant’s trunk)」は酔っ払い(drunk)、「北と南(north and south)」は口(mouth)など、こうした単語の例はまだまだあります。
以下に示したとおり、これらの単語は簡単に文に組み込むことができます(信じられないかもれませんが、こうした文にもちゃんと意味があって、使ってみると通じます!)。
「ロンドンではハチミツ付きパン(Bread & honey)を持っていた方がいいですよ!」
犬と骨(Dog & bone)
電話(phone)という意味。
例:「He’s on the dog and bone.」は「彼は電話中」という意味。
ペンとインク(Pen & ink)
「悪臭を放つ(to stink)」という動詞として用いられる。
例:「What a pen and ink!」は「何て臭いんだ!」、
「That dog of yours pen and inks.」は「君の犬は臭い」という意味。
肉の皿(Plates of meat)
コックニー英語では足(feet)という意味で用いられる。
「Me (my) plates are killing me.」は「足が痛い」という意味。
今度ロンドンに来る際は、コックニー英語を話すことにトライして楽しんでくださいね!