• 2018.04.03
  • ロンドンでの仕事と生活費
今回はいつも以上に「まじめ」なブログを目指し、ここロンドンにおける現在の経済情勢をこの街で暮らしながら目の当たりにしていることを踏まえて、ほんの一部ではありますが分析してみたいと思います。
私はこれまでにたくさんの人から、ブレグジットとそれに伴う影響について質問されました。エコノミストではないのではっきりした答えは言えませんが、いくつかの事実について紹介することはできます。
イギリスには五大陸から毎年、数千人が移住しにやって来ますが、本当のところ、とりわけロンドンでは、今なお単純労働に就くことが比較的容易なのです。


国際色豊かな都市、ロンドン

就職できる職種は英語のスピーキング力に大きく左右されますが、皿洗いやウェイター、調理補助、ハウスキーパーなどは一般的に多くの人が就ける職業です。
一方、生産性が鍵を握るような比較的難しい仕事は経験者のためにあります。
ここで指摘したいのは、労働市場を国レベルで大ざっぱに見た場合、サービス業で最近上向きの傾向を示しているのはパートタイム労働だということです。
パートタイム労働者は週に約20~25時間勤務の契約を結んでいます。最終的に勤務時間が数時間延長されることも珍しくありませんが。
最近、「管理者」の間で複数の問題を引き起こすと同時に、イギリス国民の関心を集めている契約形態に「ゼロ時間契約」があります。
これは雇用主に週の最低労働時間数を保証することを求めない一方、労働者にも(理論的には)雇用者からの勤務要請に応じる義務を課さない契約形態です。
この契約形態によって「労働者」は就職しやすくなりますし、企業は勤務できない人が出てきても「待機者リスト」の次の人にすぐ呼び掛けることができるので、労働者不足に陥ることはなくなります。
労働者は就職先を用意され、同時に複数のポジションを兼務することも可能になるわけですが、この契約形態によって許容範囲の生活水準や適切な生活の質を常に確保できるとは限りません。
いわゆる「汚れる仕事」や単純労働の賃金は大抵、全国最低賃金制度に準じて支払われ、賃金は通常、毎年引き上げられますが、最低限にとどまることも少なくありません。
となると、ロンドンで生活できるだけの費用を算出するにはどうしたらよいのでしょうか?
実際に決め手となるのはどこに住むかです。
一般的にロンドンの南部と東部は最も安く住める地域とされています。この近郊で就職できる確率は「ほとんどない」と言えますが。
この街で一番問題なのは家賃です。ロンドン、それも中心地でアパートや一軒家の家賃を支払うことを考えるのはやめましょう。おそらく他の部屋に転用するためにダイニングルームをなくしている賃貸住宅もありますから。
最安値の賃貸物件は週75ポンド(約1.1万円)程で、賃貸契約には水道、電気、ガスなどの費用はすべて含まれていますが、他にも諸費用を大家さんに支払う必要があります。
また、こうした大都市で暮らす以上、公共交通機関への支払いも毎週加算しなければなりません。特に中心地からかなり離れた場所に住んでいて、徒歩や自転車で通勤できない場合はなおさらです。


とても効率的な反面、高額な公共交通機関

食費に関していえば、イギリスには多種多様なスーパーマーケットがあって、いい品を安く買える店もありますが、食品の価格はかなり高い場合があります。
最後に忘れてならないのが余暇やレジャーの出費です。
イギリスではナイトスポットやショッピングはもちろん、仕事あがりに軽く友達とビールやコーヒーを飲みに行く(日常茶飯事ですが)費用も決して安くはないのです。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 年齢子(ねずみ)
  • 性別
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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