• 2018.12.13
  • ロースト肉、ヤギ、白鳥などにまつわる昔ながらの風習
確かに、ロンドンはヨーロッパで最もモダンで未来的で革新的な首都と言っても過言ではないでしょう。その一方、このイギリスの首都では、はるか昔の起源を持ちながら今なおロンドナーの心に深く根付いている、昔ながらのかなり面白い風習も残っています。

奇抜なキャラクターのストリートパレードからヤギレース、苦行への果敢な挑戦まで、イギリスは伝統や慣習に満ちあふれていて、知名度の高い一般的なものもあれば、本当にむちゃくちゃなものもありますが、どれも地域文化の一環です。

イギリス文化で不動の地位を誇る、よく知られた人気のあるしきたりと言えばサンデー・ローストで決まりです。
イギリスの日曜日のランチメニューでピカイチの存在で、ローストした肉にジャガイモ、野菜、グレービーソース、プディングが添えられています。必ずしも家庭ばかりでなく、パブやレストランでも食べることができますが、これを出さないパブはパブとみなされません。怒り心頭です!
なにしろ、日曜日はローストした肉を確実に食べられる保証がない限り外食しないというロンドナーを私はたくさん知っていますからね!


それではこれから、私が目にした最もファンキーな慣例をリストアップしてみます。

1. ピーターパンカップ
毎年クリスマスの日の朝、最も勇気あるロンドナーたちはロンドン中心部の湖に飛び込み、100ヤード(約91m)を超える水泳レースに参加します。
凍りつくことなく、最初にゴールインした人が優勝者です。
1800年代に創設されたこのレースに参加できるのは、ロンドンスイミングクラブに所属する(ラッキーな?)メンバーに限られます。

2. 幸運を願って白鳥をピックアップ
テムズ川で小さなレンタルボートのひとつに乗り、白鳥を見かけたら必ず止まって、水上から引っ張り上げ、首に数字をマークするという古くからのしきたりがあります。
もともとはロイヤルファミリーによって19世紀に始まったこの伝統は、今なお続いていますが、かつては幸運を願うためだけに行われていました(白鳥が多ければ多いほど、翌年は幸運に恵まれるとされていました)。現在、この風習は白鳥の生息数調査と保護活動という目的も果たしています。



3. ジョン・ストウ像の羽ペンの交換
セント・アンドリュー・アンダーシャフト教会の庭園の隅には、16世紀の作家、ジョン・ストウ像が設置されていて、手に持つ羽ペンは未完成に終わった16世紀の「ロンドン調査」を彼がやり遂げられるよう、3年ごとに新しいものと交換されます。
この厳粛な儀式には市長や市の最高幹部まで参列し、文化と詩を記念します。

4. ヤギレース
オックスフォードとケンブリッジからやってきた2頭のヤギが豪快な走りで優勝を競うレースです。風変わりなこのレースはロンドン中心部の農場で毎年開催されます。

5.真夏の夜の狂気
最も長い夏の1日を満喫したいロンドナーは、夜のうちにグリニッチからプリムローズヒルまで自転車を走らせ、街に昇る朝日を拝みます。
ゴール地点では、高齢の男性や面倒見のいいお母さんたちがサイクリストをねぎらい、一緒に朝日を眺めるために、焼きたてのデザートを用意して待っています。

6. バンクサイドの十二夜
クリスマスから数えて12日目の夜にあたる1月5日、ロンドンのストリートでスペシャルパレードが繰り広げられます。パレードの主役は、植物ですっぽりと覆われたグリーンマンというキャラクターで豊穣のシンボルです。フォークミュージシャンやその他の伝統的キャラクターも一緒に練り歩きます。

7. 戦没者追悼記念日
11月11日に執り行われる追悼記念日に先立つ期間には第一次世界大戦終結を記念するシンボルとして、ほぼいたるところに飾られた真っ赤なポピーでイギリスは埋め尽くされます。
当日はイギリス全土でいくつもの式典が行われますが、西部戦線で休戦協定が発効した11月11日の11時ぴったりに2分間の黙とうが捧げられます。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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