• 2019.11.06
  • ハロウィン
10月31日にお祝いするハロウィンは多くの人にとって、子供が仮装して歩き回りお菓子をねだる、アメリカ由来のちょっぴり怖くて賑やかな祭日となっています。でも、ちょっと調べてみると、その起源はとても古く、大半の人が思っているようなアメリカ発祥の行事ではないことが分かります。ハロウィンの歴史と起源はヨーロッパ人、正確にはケルト民族に端を発していて、現在の慣習やイメージとはかけ離れたものでした。恐怖や気味悪さ、マスクなどはあくまで後から生まれた概念だったのです。
さて、間近に迫ってきたハロウィン、今年は木曜日に当たります。
ここロンドンではほとんどの店先や家の前をクモの巣、モンスター、カボチャが埋め尽くしています。
コーヒーショップではカボチャ風味のコーヒーまであって、秋らしいラテが楽しめます。
こうなったらやるべきことはひとつ。魔法使いの帽子とヴァンパイアの牙を用意して、ホラーメイクの腕を磨いておきましょう。今年のハロウィンをロンドンで迎えるなら、選択肢はよりどりみどりですからね。
一般的なアイデアで楽しむ人もいますが、ハロウィンを記憶に残るおどろおどろしい恐怖の一夜にするために、一風変わった趣向を凝らす人もいます。
グリニッジ・マーケットでは不気味なファッションショーや恐怖のメイク、カボチャの彫刻が目に付きますが、特に有名なのは二部構成のハロウィンドッグショーです。
第一部はドッグ・ソサエティ主催の犬のファッションショーで、飼い慣らされた小犬たちが気取って登場します。
第二部では最も優れた仮装の犬と、最も飼い主によく似た犬に賞が贈られるコンテストが行われます。
犬とハロウィンが大好きな人はお見逃しなく!
ドッグショーよりも、イギリス屈指の美しい館で信じられないような恐怖の探検をお望みの人にはハンプトン・コート宮殿がおすすめです。幽霊伝説の絶えないこの場所で彼らの声に耳を傾けるには今が1年で一番良い時期です。
チューダー朝の乳母の幽霊に取り憑かれた宮殿と、敷地内の身の毛もよだつような翼廊や居住エリアの監視カメラの映像をちょっと想像してみてください。
また、ロンドン動物園では、子供が動物を見ながら仮装したり、魔法の呪文のかけ方を習ったり、お話を聴いたり、カボチャを彫刻したりできる恐怖のアクティビティを開催してハロウィンをお祝いします。
大都市ロンドンでは市内でさまざまなパーティーももちろん開催されます。
おすすめは、90年代にヒットした米ドラマシリーズ『バフィー 〜恋する十字架〜』 にちなんだ毎年恒例のパーティーです。
このテーマパーティーでは、Art Macabreで創作活動をしているアーティストと絵を描いてみたり、たくさんのホラーをテーマにした恐ろしいテレビドラマシリーズから代表的なエピソードを鑑賞したり、夜にとっておきの美味しいカクテルを飲みながらダンスフロアにあふれるヴァンパイアたちと踊り明かしたりして楽しめます。
ドレスコードはもちろん、スタイリッシュなサニーデール(「バフィー」の舞台となった架空の街)です。

それ以外の選択肢としてはVaultsに出かけてみるのもいいでしょう。
Vaultsは地下鉄のウォータールー駅高架下に位置する文化的スペースで、リーク・ストリートの有名なグラフィティ・トンネル内にあります。
ここではハロウィンを祝うために風変わりな夜を企画していて、生演奏に誘われて死者が踊りにやって来るのですが、怖いというより、ちょっぴり芸術的な雰囲気が漂っています。

このほか、イギリスの首都で最も来場者の多いモニュメント、ロンドン塔のホーンテッドツアーは、キーセレモニー同様に、ハロウィンの日には大勢の観光客にもまれることなく参加できます。

このナイトツアーではヨーマン・ウォーダー(ロンドン塔の番人)なる者が同行し、実際にここで行われた拷問や処刑を紹介しながら、この監獄にまつわるいろんな逸話を披露してくれます。
基本的には歴史とホラーがミックスされた内容となっています。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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