• 2020.03.17
  • セント・パトリックス・デー:緑一色に染まる楽しい日
今年は残念ながら、ロンドン屈指の楽しいイベント、セント・パトリックス・デーには市内にいない予定です。
でも、セント・パトリックス・デーは近づいています。セント・パトリックはアイルランドの守護聖人なのでこの辺りでは「有名人」です。このお祝いはアイルランドで最も伝統的な祝日でありながら、イギリスでもとても身近に感じられているのは、「私たちが同胞」で、国境を接しているからかもしれません(北アイルランドとアイルランドを思い浮かべてみてください)。
この日はアイルランド人にとって唯一無二のクラック(craic:楽しいひととき)です。カエルの鳴き声のような響きを持つこの変わった単語は、アングロ・スコティッシュの古い方言で賑やかなおしゃべりを意味し、いかにもお祭りの雰囲気にぴったりの表現なので、今ではセント・パトリックス・デーにちなんだ言葉となっています。

セント・パトリックス・デーは毎年3月17日に世界中でお祝いされていて、ロンドンでは中心街を練り歩く伝統的なセント・パトリックス・デー・パレードがメインイベントに予定されています。
毎年、3月17日はこの祝日をお祝いするためにイギリスの首都が緑一色に染まり、多くのパブやレストランでは特別メニューや緑色のビール、テーマパーティーなどが準備されます。
とはいえ、セント・パディーズ・デー(セント・パトリックス・デーの通称)がイギリスの首都でお祝いされるようになったのは2002年からです。
パレードの開催は決まって3月17日で、正午にピカデリーサーカスを出発し、トラファルガー広場が終着点です。
フロート、バンド、ストリートアーティスト、ダンススクール、伝統的なコスチュームを身に付けたアイルランドの32州の代表者などによる盛大なものです。
パレードはほぼ緑一色なので、お祭り気分を味わってみたい人は必ずこの色を身に付けるようにしましょう。
通常はまず、たくさんのアイリッシュフォークダンスのグループが最高のダンスを競い合い、その後にフォークミュージシャンと寓話的なフロートが続くスタイルはカーニバルに似ています。
セント・パトリックス・デーにはトラファルガー広場もお祭り会場となり、コンサートやショー、グルメを楽しめます。
そして、パレードの後にはパーティーが始まります!
トラファルガー広場のステージではアイリッシュミュージックのコンサートや、伝統的またはコンテンポラリーなアイリッシュダンスショーが繰り広げられ、広場ではアイルランド製のグッズや名物を購入できる、食べ物や手工芸品の屋台が軒を連ねます。
アイリッシュブラックプディング、スコッチエッグ、アイルランド風フライドチキン、名物バーガーなど、おいしいご当地グルメを試す絶好のチャンスです!
ロンドン周辺のアイリッシュパブ(イングリッシュパブとは違うので注意)のほとんどは毎年、セント・パトリックス・デーを1週間かけてお祝いし、テーマイベントや緑のクローバーをはじめとする装飾でお客さんを迎え、アイリッシュビールや緑色のビール(食品着色料を少し入れたビール)を提供します。
運が良ければ(そして事前に予約すれば)、こうしたパブで特別なグルメメニューを楽しめるかもしれません。
当然ながら、一番混雑するのは3月16日~18日です。


パブの様子

カムデンマーケットでは、セント・パトリックス・デーのロンドンの公式祝賀イベントの一環として、アイルランド出身のミュージシャンが主催するミュージカルがたいてい行われます。
公演はマーケット内の屋外と屋内で行われ、スペシャルゲストを迎えてBoot Roomで幕を閉じます。
ロンドンにひとりでいて、新しい知り合いを作りたい気分だったら、セント・パトリックス・デーは歴史あるパブや醸造所をめぐる数多くの団体ツアーのひとつに参加して、みんなで市内最高峰のビールを味わうのにうってつけの日かもしれません。
この日になるとアイルランド人は、「Beannachtai na Feile Padraig!」と言いますが、これは「セント・パトリックス・デーの祝福を」という意味です。
今年、ロンドンのサディク・カーン市長は、市内で暮らすアイルランド人の不安を取り除くために、ロンドンのセント・パトリックス・デーは今後も市内最大級のイベントだと宣言し、ブレグジットが実現しても、この街は多様性や海外文化に扉を開き続けると訴えました。


友達とのクラック

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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