• 2020.04.07
  • 英国式庭園!
英国式庭園を全く耳にしたことがない人はいないでしょう。
英国式庭園は常に人々の生活の大切な要素となってきました。
時代にもよりますが、庭園の様相は変化し続けていて、その時々の新たなニーズをとらえたスタイルを形成しています。
英国式庭園は風景式庭園や非整形式庭園としても知られています。
植物学の研究を通じてこうしたことを学んでいる友達がいるので、いろいろ質問させてもらいながら、自分自身でもちょっと調べてみることにしました。
この庭園様式は1700年代の初めにイングランドで誕生し、その後あっという間にヨーロッパ大陸全体に広がり、特にドイツで人気を博しました。
英国式庭園はもともと、整形式庭園として知られる16世紀以後に発達し広く普及したイタリア式庭園や、17世紀よりフランスで広まったバロック式庭園、この二つ庭園の設計様式に対抗する形で登場しました。
ヨーロッパ中に浸透していたイタリア式・フランス式の整形庭園モデルは主に厳密な幾何学性と左右対称性に基づいて作られていました。一方、英国式庭園はこの堅苦しい整形式庭園モデルを超え、庭園を彩る植物要素のありのままの自生を基本とする新たな設計手法にたどり着きました。これも人の手で人工的に作られたものには違いないですけどね。
英国式庭園が目指したのは自然との触れ合いを取り戻すことであったため、草木をあるがまま自然に育つにまかせ、樹木の整形的な刈り込みは一切行われませんでした。
この革新的なコンセプトは庭園芸術に新たな息吹をもたらし、18世紀の間にヨーロッパ全土へ急速に広がり続けました。
整形式の庭園は見て楽しむタイプですが、英国式は庭園内でリラックスできますし、芝生の上でピクニックをしたり寝転んだりできるので、とても気に入っています。
また、こういう自生植物があふれる広々とした眺めは、見る人に完全な静寂と安らぎをもたらします。
この新たな庭園の趣旨が、それまでの整形式庭園モデルに見られた制約とは全く対照的な、自由な景観の提案にあることはよく理解できます。自然は変則的なので、イタリア式・フランス式の庭園のような堅苦しい設計構想に収まるものではありません。
英国式庭園では自然は自由であり、人間は支配を望んでいません。庭園はもはや自然から切り離された要素ではなく自然の延長線上にあるもので、物理的な境界も存在しないのです。
私の調べたところでは、英国式庭園ではカエデ、ナラ、ブナ、クリ、ハシバミ、ハンノキ、ニレノキとさまざまな種類の花がよく見られます。
英国式庭園がみんなに愛されている理由は、この庭園がありのままの自然で、園内の各植物はどう見てもランダムに配置されていて、どんな規則性も感じられないからです。しかも、草木をあるがまま自由に育てているので、庭園ごとに違いが見られます。
ここロンドン市内とその近郊には、チェルシー薬草園やディクスター、コーツ、ヒドコート・マナーガーデンなど、典型的な英国式庭園がいくつもあります。
園内では大抵、木立とコントラストを織りなす芝生や、古典様式の神殿、遺跡、その他の絵画のように美しい建築物の再現によって牧歌的な景観が演出されていて、池や橋といったロマンチックなお決まりの要素もひと通り盛り込まれています。なかには中国のあずまやを配置している庭園もあります。
英国的風景を作り出すには、その概念を知っておく必要があります。つまり、自然は自由であり、人間が関与しなくてもそれ自体で成り立つことができるということです。
私の友達の話では、自然要素と人工要素の完璧な融合を実現するためには、適切な植物を選ぶことが大切で、それを日当たり、土壌水分、その他の重要要素を考慮して理想的な場所に配置すると良いそうです。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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