というわけで日記をつけ続けています。ほんのちょっとしたメモ程度ですが、かなりマニアっぽくて自分でも気に入っています。
イギリスで外国暮らしを送るイタリア人として書いたそんなメモの中から、いくつか皆さんにご紹介します。
1. ブラックキャブの運転免許試験は超難関
現在、ロンドンではさまざまなタイプのキャブが走っていますが、最も伝統的なキャブといえば間違いなくブラックキャブでしょう。
このキャブの運転免許を取得するためには、ロンドン市内の通りをすべて記憶することが求められる「The Knowledge of London」という厳しい試験に合格しなければならないことを知りました。全部で25,000の通りを覚えるわけですから、この種の試験としては世界指折りの難しさだと言われています。
現代は衛星を利用すればナビでどんな住所でも簡単に見つけられることを思うと、とても奇妙な話ですが、この伝統は簡単にはロンドンからなくならないでしょう。
ブラックキャブ
2. 白鳥は女王のペット
ほかにも、リッチモンドパークのパネルを読んで知った奇妙なことがあります。それは、イギリスの法律では印の付いていない、飼い主のいない白鳥はすべて女王のものと定められていることです。
実はその昔、イギリス人の間では白鳥の肉を食べることが最高の特権の一つと考えられていた時代があり、その肉を食べるためには君主に税を払わなければなりませんでした。
税を払える経済力をもつ貴族たちは、自分の白鳥のくちばしに焼印を入れていました。
19世紀末になると、一部の動物愛護活動家たちがこの習慣に抗議し廃止を支持したため、こうした習慣はなくなりました。
とはいえ、王室が白鳥を所有する制度は今も続いています。毎年、「スワン・アッピング」(800年続く王室の年中行事で国王が所有する白鳥の個体数を調査する)の際に印の付いていない白鳥の目録を作成している会社もまだあります。
この調査では、白鳥の個体数を数えて身体の検査を行い、最後に池に放します。
リッチモンドパークの白鳥
3. マーブルアーチ・マウンド 相次ぐ不評
理想と現実の間には大きなギャップが生じます。
これこそ、ロンドン最新の観光名所であるマーブルアーチ・マウンドが住民と観光客を失望させている理由です。
この人工の高台は、オックスフォードストリートの話題を集め自動車による公害と闘うためのメッセージを発信することを目的とする期間限定のインスタレーションです。多大な費用をかけて造成され、敷地に入るには入場券を購入する必要があります。
でも、一番上まで登っても、この高台はあまりに低すぎて空に映える街の景色は想像するしかなく、ハイドパークの景色は拝めません。
オープンしたときは当初の宣伝どおりではないため、みんながっかりしました。
非難の声がソーシャルメディア上で高まっていることは間違いなく、訪れた人たちがチケットの値段に不満を表したり高台に対する不評を言ったりしています。
4. 極冷の水と激熱のお湯の二択
イギリスの浴室にはお湯と水が一緒に出てくる蛇口はなく、洗面台やバスタブにはお湯用と水用の別々の蛇口があります。
出て来る水が氷のように冷たかったりお湯はやけどをするほど熱かったりすることがあり、そうなると片方の蛇口だけを使って体を洗うのはかなり大変。
ぬるめのお湯が要るときはどうするんだろう、といつも思います。
少々変わった仕組みだとは思いますが、熱湯の蛇口だと水が熱くなるまでに少し時間がかかりますから、お湯を使いたいならしばらくお湯を出しておいて適当な温度になったときに使うこともできます。シンクやバスタブに栓をして水と混ぜてもいいですし、いくつか方法はあるようですね。
公衆浴場のお湯と水の蛇口