• 2023.03.23
  • チューダー朝時代にタイムスリップ!
遂にストラトフォード・アポン・エイボンを訪れることができました。こちらはウィリアム・シェイクスピアの生誕地として、また、英国の歴史や文学において最も著名な彼の遺骨が保管されていることでも知られる、小さな町です。

ストラトフォード・アポン・エイボンはウォリックシャー州にあります。
小さな町なので数時間あれば見て回れますから、街を離れて日帰りか、長くても一泊二日くらいの旅を楽しむにはぴったりの場所です。
ロンドンからはバス(コーチ)、電車、車のいずれかで行くことができます。
町までの距離の移動よりロンドンで渋滞から抜け出すのに時間がかかり、最終的に町に着くまでに三時間超を費やしました。
さて、町に着いて川を渡ると、川沿いにテラス席を設けたとても素朴な感じのパブ・レストラン「Cox's Yard」があります。
お腹が空いていたので、つい立ち寄っておいしいビールとフィッシュ・アンド・チップスをいただいてしまいました。
近くに観光案内所があり、ガイドマップをもらってストラトフォード・アポン・エイボンの名所を調べました。ガイドマップにはお薦めとしてレクリエーション・グラウンド(公共運動場)の脇を流れるエイボン川に沿って歩く素敵な散策ルート「Stratford upon Avon circular walk」(ストラトフォード・アポン・エイボン周遊ウォーク)が紹介されています。シェイクスピアが埋葬されている教会を訪れ、そのあと町の中心部へ戻ってシェイクスピアの生家や妻アン・ハサウェイと暮らしたコテージが見学できるようになっています。
実際に歩いてみると、とても楽しいルートで、道沿いには木がたくさん植えられていました。

シェイクスピアの生家は大通り沿いにあり、だれでも見学できます。当時の家具などの展示や、偉大な劇作家の幼少期を解説するパネルがあり、非常に興味深いと思います。
このとき知ったのですが、「ぐっすり寝てね」という意味で使われる英語のフレーズ「Sleep tight!」は、当時ロープを用いたベッドが使用され(訳註:ロープを格子状に張り、その上にマットレスを敷くためロープが緩いと安眠できない)、よく眠れる(sleep)ようにかなりしっかり(tight)ロープを縛らなくてはならなかったことに由来しているそうです。
シェイクスピアの生家をあとにして川を渡ると、シェイクスピアが幼少時に洗礼を受け、死後に埋葬されたホーリー・トリニティ教会(Holy Trinity Church)があります。
シェイクスピア夫妻は、家族と共にこの教会の内陣に埋葬されています。
お墓のあるエリアへ入るには寄付金が必要です。
ここにはシェイクスピアの洗礼を記録した台帳と死亡証明書も展示されています。
教会を出て川沿いに町の中心へ向かうと、劇団ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(Royal Shakespeare Company)の本拠地ロイヤル・シェイクスピア・シアター(Royal Shakespeare Theatre)が見えてきます。

ストラトフォード・アポン・エイボンには、シープ・ストリート(Sheep Street)と呼ばれる、チューダー様式の建築が立ち並ぶ通りがあります。
ブティックやショップ、レストランやカフェなど、すべてこの様式を大切に守って建てられており(個人的には純粋なチューダー様式ではないものも多いと思われますが)、こうした建物も含めて町の建築の美しさを変わることなく今に残しています。
また、シープ・ストリートには、シェイクスピアが生きていたチューダー朝時代(1485~1603)に特化した私立の博物館もあり、当時の暮らしを伺うことができます。
チューダー様式の家は屋根に勾配がついており、全面に粘土瓦もしくは石瓦を使用しています。茅葺きも多く見られ、そちらは茅葺屋根の家と呼ばれています。
下階よりも上階が広く、上階が道路にせり出し下の階は道路に面したスペースが確保できる造りになっています。
細長い窓と木枠が特徴的な建築で、海外の人たちが想像する真の「英国式」を代表する様式だと思いますので、私はとても気に入っています。

ストラトフォード・アポン・エイボンは魅力がたくさんある町です。いつか是非、こんな英国の田舎に住みたいと思います。こうした村や町にこそ英国文化の真髄があるのですから。


シェイクスピアの生家 「ぐっすり寝てね」


町中にあるチューダー様式の家々やショップ

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 年齢子(ねずみ)
  • 性別
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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