• 2024.06.18
  • ちょっぴりサイエンス気分
楽しみと文化と発見の街、ロンドン。
この愉快な街のすばらしいところは、市内にある数多くの美しい美術館や博物館が無料で楽しめることです。
例えば、サイエンス・ミュージアム(The Science Museum、科学博物館)やナチュラル・ヒストリー・ミュージアム(Natural History Museum、自然史博物館)は、老いも若きも、年齢を問わず誰でも入館無料です。
お金を払わずに最高のミュージアムやアートギャラリーを楽しめる街なんて、ここ以外に世界のどこにあるのでしょう?
きっとロンドンだけだと思います。この街を好きな理由がまた一つ増えました。

ロンドンのナチュラル・ヒストリー・ミュージアムはサイエンス・ミュージアムよりも建物の規模が大きくて見学にも時間がかかりますが、サイエンス・ミュージアムとは隣接しているので1日で両方見てまわれます。
アドバイスとしては、もし時間があるなら、片方に1日、もう片方に1日かけて楽しむのがいいと思います。また、時間に余裕を持たせて、ケンジントン公園にあるダイアナ・メモリアル・プレイグラウンドを訪れてみてはどうでしょう。ダイアナ妃を偲んで造られたプレイグラウンドで、特に子ども連れの方にはお勧めです。
どちらの建物からも徒歩数分で行けますし、池やプレイグラウンドに加えて、リスもたくさんいて花壇や行きかう人々の足元から姿をのぞかせます。道行く人をまったく怖がりません。
ナチュラル・ヒストリー・ミュージアムは堂々とした非常に印象的な建築で、博物館というより教会に似た造りになっています。館内に入ればたちまち子どものようにワクワクして、アースホール(Earth Hall)中央部のエスカレーターを駆け上がってしまうかも。
火山や地震に特化したレッド・ゾーンに入ると、高温に輝く溶岩の動画やさまざまなマルチメディアステーションがあり、1995年に神戸で起きた地震を再現するシミュレーターも備えています。見るところが非常に多いので、見学には時間がかかりますが楽しいというのもお分かりいただけると思います。
恐竜の骨格標本も何点か展示されていて、どれもとても興味深いです。館内にある巨大な化石も魅力的ですが、あまりに状態が良いのでかえって偽物に見えてしまうほどです。
ブルー・ゾーンでは恐竜に出会うことができます。ここは哺乳類のセクションと共に同館の目玉になっています。
グリーン・ゾーン2階には、月の岩石の破片に加え、鉱物や火星の隕石、世界最大のエメラルドなどが展示されています。
サイエンス・ミュージアムは他の著名なミュージアムと同様にロンドンの「エキシビション・ロード」沿いに立ち、欧州では来館者数最多を誇る科学技術博物館です。創設はビクトリア朝時代にまで遡り、当初は芸術を専門に扱っていました。
現在は主に教育に力を入れ、子どもを対象としています。ロンドンに存在するほかの多くの公共の博物館や美術館と同様、このミュージアムも入館料は無料です。
さて、サイエンス・ミュージアムは人類の歴史に特化した博物館で、アポロ10号の司令室をはじめ、世界初の蒸気機関車や歴史上初めて作られた蒸気機関も何点か展示されています。
非常にインタラクティブで、教育的な要素を大きく取り入れつつ遊び心たっぷりの展示が特色で、歴史的な部分にとどまらず現代の科学の進歩にまで息吹を吹き込み、子どもたちに理解してもらうことを狙いとしています。子どもと訪れるには理想的な博物館ですが、大人にもとても興味深いところだと思います。
このミュージアムが提供する最も楽しいアクティビティの一つは、3Dシミュレーター。巨大なIMAXスクリーンに数多くのシナリオを再現してくれます。
現在予定されている3D映画には、月旅行のシミュレーション、人体の復元、地震や火事を再現した印象に残るものもありますが、異星人のいる惑星のシミュレーション、深海とそこに生息する奇妙な生き物たちを紹介する自然ドキュメンタリーなどもあります。
館内の5つのフロアはすべて見てまわることができます。来館者が各フロアを見てまわり多くの展示品に触れることで、興味を持ってもらうように設計されています。
1階は、新たな世界の幕を開けた産業革命に貢献したものを再現し、展示しています。
2階には、農業に特化したスペースのほか、電気通信や時間測定の歴史についてのセクションもあります。
3階には、コンピューター、数学、エネルギーのセクションが設けられています。


サイエンス・ミュージアム 交通輸送のセクション

4階では、科学に関する興味深い展示に加え、ヘリコプターや飛行機の機体が一機まるごと展示されているなど、輸送や飛行に関連するアイテムのコレクションも楽しめます。
5階は、医学の歴史を専門に扱い、過去に医学の分野で使用されていた品々が展示されています。興味深いアイテムや一風変わったものも多く含まれ、医学の進歩を段階的に遡ることができます。
6階は、科学と医学の関係をテーマに、世界中の多くの文化圏で過去に使用されてきた医療器具や実践された治療法の概要などが紹介されています。
また、サイエンス・ミュージアムにはライブラリーも併設されています。定期刊行物や古代の科学に関する手書き原稿が保存・管理され、世界各地の学者が利用しています。まさに一見の価値がありますね。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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