• 2024.10.24
  • マンチェスターの魅力~音楽とテクノロジーの歴史、そして美しい街並み~
マンチェスターは英国の中心部に位置し、ロンドンからは電車で約3時間、国内最大の国立公園である、景観美しい湖水地方からもそう遠くない場所にあります。ローマ人が築いた砦を発祥とするこの街は、産業革命という目まぐるしい時代を迎えて、その名を世界に知らしめました。リバプールの港に近いという地理的条件にも恵まれ、世界最大の織物(綿工業)の街に成長し、国内有数の活気あふれる商業の中心地として発展しました。
その後、産業革命が残した爪痕は大きく、20世紀には長年にわたる不況に苦しんだマンチェスター。その時期を経て、デザインからテクノロジーまでさまざまな分野で新たな活力源や機会を見出し、成長してきました。
その成長ぶりを十分に示す例をご紹介しましょう。世界初のプログラム内蔵型コンピューターが発明されたのもこの街ですし、世界で初めて原子の分割に成功したのもここ、そして熱力学に関する最初の論文が発表されたのも、英国初の公共鉄道となる列車が出発したのも、実は都市間を結ぶ世界初の鉄道が開通したのもマンチェスターなのです。
街を訪れる前にいろいろ下調べをしましたので、引き続き詳しくご紹介していきたいと思います。

科学だけに限らず、デザインや文化、音楽(特に今年再結成を発表して話題のオアシスなど)においても、マンチェスターは輝かしい歴史を刻んできました。そういった意味でもぜひ訪れていただきたい場所です。
ウィットワース美術館(Whitworth Art Gallery)はウィットワース・パークに建てられたマンチェスター最初の美術館で、まるで郊外の豊かな緑の中に咲き誇るランのようです。
マンチェスター大学所有の施設である同館は、科学や研究の中心としても機能しており、この街が誇る数々の歴史を生み出してきた重要な存在です。私のようなアート好きの方には絶対に外せない観光スポットです。
とはいえ、マンチェスターが科学の街であり、産業革命の時代がこの街に大きな足跡を残してきたことも確かな事実です。
科学産業博物館(Science and Industry Museum)を訪れれば、産業革命当時の様子や、この街が科学分野に起こしてきた革命の歴史を垣間見ることができます。
では、キャッスルフィールドの運河から郊外へ少し足を伸ばして、グルメスポットで知られるオルトリナムを訪ね、さらにアンコーツへ行ってみましょう。ここは新たなトレンドや文化の発信地として進化を続けている地区で、ノーザンクォーターに次ぐ人気を誇ります。
マンチェスターには活気あふれる地区が少なくありません。その中でもノーザンクォーターは、斬新さや革新性に富む感覚と、偏見のない卓越した芸術的センスとが見事に調和している地区と言えるでしょう。


マンチェスターの風景1

ノーザンクォーターは、落書きや壁画、地元のクリエイターたちのデザインショップやスタジオ、ショップやコーヒーバーなど多彩な魅力にあふれ、マンチェスターの素顔を知るには最高の散策エリアです。
また、ホーム(Home)と呼ばれる人気スポットもあります。現代芸術に特化したギャラリースペースのほか、劇場や映画館を併設した複合アート施設です。
5つのスクリーンでは世界中のインディーズ映画が上映されているほか、アートギャラリーやカフェ、書店も充実しており見逃せません。
そのほか、街の中心部でぜひ訪れたいのがマンチェスター市立美術館(Manchester Art Gallery)です。古典から現代にかけて、世界的に著名な芸術家が手掛けた、絵画から写真に至るさまざまな作品を幅広く展示しているおすすめの美術館です。


マンチェスターの風景2

さて、最後にアルバート広場に堂々と居を構える市庁舎をご紹介します。ビクトリア朝時代の建造物で、建築内部の見事なネオゴシック様式の装飾は訪れる者を魅了します。
ほかにも、ご当地料理についてなどお伝えしたかったのですが、書くスペースも時間もなくなってきました……この街にはぜひ召し上がっていただきたい料理があります!
グルメレストランや食べ物好きの人々に人気の飲食店が数多く軒をつらねています。
ぜひご自分で確かめてみてくださいね!

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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