日差しが弱まり、日がどんどん短くなっています。
秋が来ました!
ロンドンでは、目いっぱい楽しめる季節の到来です。素朴な旬の野菜を使ったスープやシチュー、パイやデザートが再び楽しめるようになるので、私の大好きな季節でもあります。暑い夏の日々のあとは、一際おいしく感じられますね。
何カ月も前に買った新品のジャケットにも、ようやく袖を通せます。でも、何より嬉しいのは、歴史の詰まった魅力あふれる街をまた巡れるようになること。
一方、秋と聞いてすぐにロンドンの雨や霧が思い浮かぶ人もおられるでしょう。
秋は良書を楽しむのにも最適です。ロマンチックなオレンジ色に彩られた景色と涼しい気候はゆったり読書に浸るのにもぴったりの季節です。
ロンドンの公園は秋が最高!
ロンドンにはすばらしい書店がいくつもあり、多くは最高級のレストランの近くに位置しています。ピカデリーにはロンドン最古の書店があり、街のあちこちには図書館が見られます。
美しい公園が楽しめるのは夏だけに限りません。秋にはらはらと舞い落ちる木の葉や黄金色に染まる木々の中を散策するのもとても楽しいものです。
街には公園がたくさんあって、紅葉の時期になると色とりどりの葉が園内を彩り、一層美しい景色に出会えます。
中でもリージェンツ・パークやセント・ジェームズ・パーク、プリムローズ・ヒルはお勧めです。風があまり強くない日にこうした場所で読書するのが私のお気に入りです。
この季節、ロンドンでは英国の伝統行事ガイ・フォークス・ナイト(Guy Fawkes Night)が催されます。街中で焚火がたかれ花火が打ち上げられることで有名なイベントで、焼き栗を食べながらお祭りの雰囲気を楽しむのもいいですね。残念ながら、今年は価格高騰のため恒例の花火は中止になりました。
また、秋と言えば、ヒンズー教の光の祭典「ディワリ」(Diwali)も行われ、ロンドンの暗い秋の日々を明るく照らしてくれます。祭典の期間中、トラファルガー広場ではさまざまなお祭りイベントが催され、終日ライトアップされています。
キャンドルやランタン、ランプの灯がともされ、花火が打ち上げられたり、さまざまな見世物や屋台が並んで賑わったり、まさに「闇に対する光の勝利」を祝うお祭り。期間中は街のインド料理店の多くが特別メニューを提供します。英国には多くのインド人が暮らしており、お祭りは盛大に祝われます。
このほか、英米の関係が緊密になり、ロンドン在住の米国人が右肩上がりに増えている現状を考えれば、感謝祭が盛大に祝われるのも不思議ではないでしょう。
ロンドン指折りの有名なホテル、サボイはアメリカンバーがあることでも知られますが、同ホテルのほか一部のアメリカンレストランでは、感謝祭向けに特別メニューによるディナーが提供されます。
さらに街では、感謝祭やディワリといった行事を機に、海外駐在員向けのミートアップで特別なイベントが企画されています。
このほか、秋は、春にしまった衣類がなぜか縮んでいたり、フラットに蛾が繁殖して夏の間にかなりの洋服が犠牲になったり、というハプニングを知る頃でもあります。
ロンドン・ファッション・ウィークが秋の始まりを告げれば、人々が街へ繰り出し衣替えの支度を始める時期になります。
多くの人が向かうのは、ハロッズからセルフリッジズといった有名百貨店。私自身はもっとこぢんまりした店が好きです。幸い、ロンドンにはそういった店がまだ数多く残っています。
秋には食生活も変わります。暑さしのぎに食べていたサラダに別れを告げ、できれば暖かいパブで、ボリュームたっぷりの料理を楽しむ季節がまた始まります。
居酒屋や酒場と同じく、ロンドンのパブにはその地区ならではの個性が最も色濃く現れます。最高の料理が楽しめるスポットとしてもお勧めです。隣り合って並んでいても一軒ごとに異なる個性を備えているので、どのパブでも十分楽しめて貴重な経験ができること間違いなしです。
秋のロンドンは、本当に美しい!