年始早々のテーマが抱負とは、ありきたりなブログの始まり方になってしまいました。でも、皆さん遅かれ早かれ、どこかでこのフレーズを口にすることになりますよね。
特に年末にこうした抱負を語るのはとても大切で、私たちの心を落ち着かせてくれる効果があります。
さて、どなたもよくご存じのように、抱負を立てることは興味深い心理現象をもたらします。
学者たちは、これを「新しい始まり」効果と呼び、人にはある特定の時点から生活の何かを変えようとする傾向があると指摘しています。例えば、新しい週の始まりに「月曜日から新しいダイエットを始める」とか、夏休みが終わる頃には「新学期が始まったらジムに入会する」など、あるいは、まさに前述の「新年は新生活の始まり」のように、年始から新たな生活を始める、と抱負を立てる人がいます。年明けに皆さんが良い決意をして前向きに実践しようとする理由もここにあります。
英国ではこうした決意を大真面目にとらえ(少なくともリストは真剣に作ります)、これを新年の抱負として掲げます。
最も一般的な決意の例としては、次のようなものがあります。
・ジム通いをしたり、新しいスポーツを始めたりして、健康に気をつける。
・昔の友人と連絡を取ったり、家族と仲直りをしたりして、より良い人間関係を築く。
・語学のコースを始めたり、自己改善プランなどを立てたりして、自己の成長に投資する。
・学業または仕事でさらに良い成績をあげる。
けれども残念ながら、こうした抱負がいつも希望通りに実現できるわけではありません。
少なくともここ英国では、新年が始まって3週間以内にほとんどの人がすでに抱負を諦めてしまうという記事を読んだことがあります。三日坊主になったような気がして、目標を立てなかった場合よりも落ち込みが大きいのだそうです。
だからこそ、新年に良い抱負を立てて、それを実現するにはどんな要素が大切かを理解しておく必要があります。身体の健康や人間関係、ビジネスライフの向上を抱負として立てた場合、すぐに諦めてしまうのはなぜでしょう?
優れた結果を求めるなら、現実的な目標を立てなければなりません。
ロンドンではみんな新年の抱負を立てるのにとても熱心で、毎年、職場などで団結力を高める取り組みの一環として、大人向けに抱負を立てる無料のワークショップが開催されるのが一般的です。
私も一度参加したことがありますが、参加者は、抱負を実現できるように、回避志向の目標ではなく、行動志向の目標を立てるよう勧められます。「何かをしない」ようにする目標よりも、「何かを実現する」ことを目指す目標のほうが、成功率が高いというわけです。
ライフコーチ(訳註:人生をより良くするためのコーチング専門職)が私たち参加者に教えてくれたのは、「ジャンクフードはやめる」、「携帯を使う時間を減らす」といったネガティブな表現の抱負なら、「野菜やタンパク質をもっと摂取する」、「家族との時間を増やす」といったポジティブなものに変えるべきだということでした。
また、新年に立てた良い目標を達成するためには、達成までの過程でご褒美タイムを時々持つべきだとも教えてくれました。
つまり、目標を完全に達成するまでご褒美はお預け、というのではなく、その達成に向かって努力している過程でも自分にご褒美を与えてよい、というわけです。
さて、新年の抱負や目標、その成功率についてお話してきましたが、こんなことを言う人がいるかもしれません。「新年の抱負が無いんだけど、私っておかしいのかな?」
現実には、誰もが必ずしも新年の抱負に前向きなわけではありません。やる気に満ちた年もあれば、それほど目標を重視しなくてよい年もあるでしょう。
もし一年を通して良い抱負が思いつかなくて、まだロンドンに来られたことのない方がおられたら、こんなのはいかがでしょう。「今年はロンドンへ行く!」
明けましておめでとうございます!