確かに、街には世界指折りのベーカリーやペイストリーショップもあり、フランスのペイストリー専門店も数多く見かけます。でも、今回ご紹介したいのは、こうしたお菓子ではありません。
英国に数々ある昔ながらのチョコレート菓子やデザートからこんなお話を。
私個人としては工場で製造されるキャンディバーやチョコレートより、地元のお菓子屋さんで作りたてのファッジを買うほうが好きです。一番のお気に入りは、なんといってもロッキーロード(Rocky Road)です。
英国では代表的なチョコレートバーで、現在は米国でも定着しています。ロッキーロードという名前は、穴ぼこだらけでごつごつした姿に由来しているのだと思います。ドライフルーツなどが入っているため表面がデコボコしており、山間部の整備されていない道と外観が似ています。
さて、そんな山道みたいなチョコレートバーにはさまざまな食材が使えます。ナッツ類にファッジ、マシュマロ、砂糖漬けのチェリーやドライフルーツなど、自由な発想で好きなだけ入れて楽しみましょう。
作り方はざっとこんな感じです。やややわらかめのチョコレートの塊を作り、平らな容器に広げて冷蔵庫で冷やし、固まったらナイフでキューブ状に切り分けます。基本的にはブラウニーの作り方と似ていますが、オーブンで焼かず、材料をただ混ぜて冷蔵庫に入れる点が違います。
溶かしたチョコレートに入れたい材料を何でも少量ずつ加えればよいので、キッチンの残り物を一掃するレシピのように思われるかもしれません。マシュマロや砂糖漬けのチェリーを入れればソフトな質感になり、ドライフルーツで風味豊かに、ビスケットが入ればサクサクした食感になります。これこそまさにロッキーロードの大きな特徴で、食感もその組み合わせ方もさまざま。そのため、お気に入りの店でも一点一点、味や食感が異なります。

お気に入りのロッキーロードはナッツたっぷりタイプ
ではレシピをご紹介します。
ロッキーロード 材料(12個分)
ビターチョコレート 250g
無塩バター 100g
砂糖 大さじ2
ナッツ、ドライフルーツ 200g
(クランベリー、ピーナッツ、アーモンドがお勧め)
クルミ 8片
ビスケット 6枚
<作り方>
1. 耐熱ボウルに、バター、細かく刻んだビターチョコレート、砂糖を入れて混ぜ、温めて溶かす。
2. 1を溶かしている間に、クルミの殻を割り、実を刻む。
3. ビスケット6枚のうち4枚を手で粗めに砕き、アーモンド大の大きさにする。
4. ドライフルーツ、クルミ、ビスケット等を混ぜ合わせ、まだ温かい1の生地に加え、全体が均一になるまでよく混ぜる。
5. 10cm×10cmの角型の小さめの耐熱容器2枚または大きめの耐熱容器1枚にクッキングシートを敷き、混ぜ合わせた材料を流し込む。
このとき、チョコレートは少なくとも厚み数cmになるようにする。クッキングシートを敷くのを忘れないように。シートを敷いておかないと容器から取り外しにくい。
6. 耐熱容器に流し込んで平らにならしたら、残りのビスケット2枚を指先で細かく砕き、表面全体に振りかける。
7. 冷蔵庫で約45分冷やす。
8. 容器を取り出す。クッキングシートを端から外し、ロッキーロードを取り出す。ごつごつした1枚岩みたいなチョコレートが現れる(巨大なチョコレートバーのよう)。
9. 刃先の鋭いナイフで約3cmの正方形に切り分ける。
15個ほどのロッキーロードが出来上がります。さあ召し上がれ!